Chienomi

Keychronは二度と買わない、と思うくらいのことではあった

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前の記事でKeychron V3 Maxを買った話をしたが、当該記事はFrozen Silent V2が中心の記事なので、あんまりKeychronについて触れていない。

基本的にはJIS配列キーボードについて言及している程度た゛。

正直、あの時点でもやもやしていたのだけれど、その後の経緯も含めると少なくとも私はKeychronをもう二度と買おうとは思わないし、人に勧めることもないだろう。

問題点

基本的にV3 Maxを注文した時点ではボード優先、つまりV3 Maxを先に注文して、Frozen Silent V2を後から注文する形だった。

つまり素の状態のV3 Maxがある期間というのがあった。 この時点ではそれほど大きく問題を感じていない。いくつかのキーがゆるい(ぐらつく)ような気はしたが。 まぁ、大きい不満はノブの位置のせいでFキーがずらされていて使いにくいくらい。

明確に問題が生じたのはFrozen Silent V2が到着してから。

まずスイッチを抜くという工程があるわけだが、先にキーキャップを抜くことになる。 で、このキーキャップが固くて、いくつかのキーはキーキャップを抜こうとしたらスイッチごと抜けた。 既に雲行きが怪しい。

そしてFrozen Silnet V2を入れようとしたのだが、入らない。 いや、入るキーもあるが、多くのスイッチが入らないのだ。 スイッチが全く入っていかない感じ。

さて、この「入らない」自体は既に言及したが、どれくらいだったかはぼかした。 これを具体的に言うと、3日、時間にして12時間以上を費やし、入ったスイッチはわずかに8個だった。 しかもその入ったスイッチすら浮いてきて外れるという始末。

その末に「ちゃんと入らなくてもいいからとりあえず載せよう」に至り、その「とりあえず載せる」すら成立しないレベルのキーが相当数あったため、0° Silentを追加で注文している。 0° Silentの注文数は30なので、「とりあえず載せるということすらできないキーは20を越えていた」ということである。

ちなみに、0° Silentを入れる前に、そもそも元々のスイッチは戻せるのか? と思い、試している。 その結果として、「全く入らない」というキーはなかった。 が、打っている間に浮いてきて外れてしまうキーはそれなりにあった。

ちゃんとはまっていないというか、なんか斜めな感じ。 そして、フォームの高さが足りない? スイッチは足はちゃんとついているけれど、ツメは絶対にかからない感じになっている。

なのでまぁ、ちゃんと固定はされていないけれどある程度固定されていれば打てるので、その方向で使っていた。

が、やはり無理があった。 打鍵の衝撃で徐々に浮いてきたりするキーボードは普通に使いづらい。

そして、私はとうとう限界を感じた。

一番問題があるのが3キーなのだが、本当にしょっちゅう外れる。 タイピングがかなり不快になる。

PCMKキーボードにWS Pearlをビルドしたものを試したことでなおさら思った。 もうこんなのはキーボードとして成立していない、と。 あまりにもストレスが違う。

なので、問い合わせることにした。 本当にこれはKeychronで許容している精度なのか? と。

サポートの対応

私はAmazonで買ったので、SUPERKOPEKに問い合わせるようにとのことであった。

症状を伝え、初めてのKeychronなのでこれが正常なのかは不明だが、使用感として問題を感じているということを述べた。

それに対する回答は丁寧だがなかなか失礼なものだった。 要は、スイッチを引き抜く際に正しくない抜き方をして破損したのだろうという言い方である。

まず、6種類のスイッチを試せる環境にある人がスイッチの引き抜き方も知らないと考えるのは無理があると思うのだが。

で、ホールの状態を確認するから写真を送ってこい、と。

なので、撮影して送った。

それに対する回答は

  • 見たところ破損はしていない
  • V3 Maxキーボードが対応しているのはCherry MXだけである
  • Jupiter Bananaでも容易に抜けるならプレート交換等を検討するので連絡せよ

である。

まず、Cherry MXだけというのは、本気か? という感じである。 であればホットスワップの意義はほとんどない。製品はカスタマイズ性を訴求ししているのだが、スイッチ選択すらできないのであればだいぶ空疎な話になる。 そしてそれを前提とするのであれば、Keychronのキーボードの価値は著しく低下するだろう。 Keychronキーボードが採用するスイッチは、あんまり訴求力のない凡庸なものである。 それで満足する人はホットスワップを求めていないだろうし、ホットスワップでのスイッチ選択ができないのならホットスワップ非対応のキーボードと同等の基準で評価するしかない。

そして、Jupiter Bananaでも容易に抜ける「なら」ではない。 そもそもの問い合わせがJupiter Bananaにおいて発生するものであり、他に6種類のスイッチを試したが同様であったというものなのだ。 それなのに再度問い合わせをしなければ検討すらしないというのは、サポートとして当初の内容の回答になっていない。 単に、「お前が正しくないことをして破壊したのだろう」という推定のもと写真を送らせただけである。

丁寧だがとても失礼なサポートだ。

また、「点検を検討する」という旨の返信があったので、送付について質問したところ回答がなく、連絡途絶となった。

顛末

今回の件をもって、私のKeychronに対する感想は

  • キーキャップを抜こうとするとスイッチごと抜けてしまい、同一規格のスイッチが入らない程度の製造精度
  • カスタマイズ性を謳っているが実際のところCherry MX以外は使えないとするまやかし
  • 丁寧だが大変失礼で信頼できないサポート

である。

本件をどう捉えるかはかなり余地がある。

例えば、ホットスワップかどうかを気にしていない、購入した製品をそのまま使う派の人はあまり気にならないだろうし、サポートも結局は対応してくれたのだからいいじゃないかと考える人もいるだろう。

だから、少なくとも私の気持ちとしては、二度と買わない。 そして、私はカスタムキーボードの素材としてKeychronを候補に挙げていたこともあったが、今後はそのようなことはしない。

正直、キーボードを愛好する者として、許容できない程度にはひどいと思っているのだ。