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キーキャップは思った以上に大事って話

読み物系記事::supply

キーキャップ。

JIS配列キーボードユーザーにはあまり馴染みのない話題。 KeychronやMajestouchなど、一部のキーボードにはリプレイスのキーキャップあったりするけど、基本的にはデザイン上の目的であって、キーキャップに対するこだわりを発揮する余地がない。 ゲーミングキーボードだと最近はJIS配列自体減ってるし、5段目配列が不定なのもあってキーキャップリプレイスが現実的でないし、スペースバーに至ってはどうやっても手に入らないというところまできている。

一方、US配列のキーキャップ製品はめちゃくちゃある。 本当に無数にある。AliExpressでいくらでも見つけられる。

つまり、JIS配列キーボードの場合はキーキャップは製品を左右する要素、US(ANSI)配列キーボードの場合はカスタマイズ可能な要素ということになる。

そして、これは「ちょっとした好み」ではないレベルの違いがある。

プロファイル

キーキャッププロファイルは種類があって、ある程度は規格に沿っている。 たまにキーボードメーカーが独自のプロファイルを採用することもあるけれど、ウケればそれがリプレイス品でも出たりするので、結果的に規格化されたりもする。

AliExpressでリプレイス品で最もよく見かけるのはCherryプロファイル。 ただ、キーボードに標準採用されているものがCherryプロファイルが多いかはちょっと疑問。

多そうなのがOEMプロファイル。かなり高さがある。 JIS配列キーボードだとOEMプロファイルが多い気がする。

OSAやASAプロファイルの元になっているのがSAプロファイル。 一番高さがある。あんまり見かけない。スフィリカルトップなのが特徴。ちょっとレトロ感のある形状。

ASAはAkko版SAプロファイル。Akkoのほか、PIIFOXとかが出している。 OEMハイトでSA形状といった感じ。スフィリカルトップ。

OSAはKeychronのプロファイル。Wuque Studioも出している。 OSAはOEMプロファイルキーをスフィリカルトップにしたものだ……と説明されているのだが、私の手元にあるV3 Maxはどう見てもシリンドリカルトップなのでちょっとその定義がよくわからない。さらに、ASAよりもトップが広いという説明があったりするのだが、標準キーキャップはどう見てもトップが狭く隙間が大きい。

DSAはスフィリカルトップで高さを抑えたタイプ。高さは全行同じ。

XDAはDSAよりももっとフラット。スフィリカルトップ。

めちゃくちゃ違う

まずキートップは一般的にくぼみがある。 左右方向にロールしているのがシリンドリカルトップ、球形に凹んでいるのがスフィリカルトップ。

そして、各行の高さが異なり、キーボード全体を横から見たときに上下段で凹形状になっているのがステップスカルプチャ。 なってないのがフラット。

薄型キーボードやラップトップのキーボードだとフラットトップ・フラットキーボードということもあるんだけど、キーボード製品としてはまあ稀。 何かしら凸凹している。

そして、キーに高さや角度という概念があり、さらに窪みがあるとなると、キー間隔とは別に指の動き上のキートップの距離が変わる。 キー間隔は通常19.05mmだけれど、フラットなほうが上段が遠く感じられる。

フラットなものはゲームユースにおいて激しい指使いにおいてキーの肩に指が引っかかりやすいという理由で採用されたようだ。 一時期は結構流行ったのだけど、現在はだいぶ減っている。ゲーム特化のHEキーボードでも普通にステップスカルプチャのキーボードが多い。

で、私は言いたい。キープロファイルはめっちゃ大事だと。

EDGE201というフラットなキーボードを使っていたことがあるが、キーがめちゃくちゃ遠く感じたし、指の向きとキーの角度に齟齬があって大変打ちにくい。 そして、指が安定しないから突き指しそうになる。

KeychronのOSAプロファイルキーも打ちづらい。 中央に指が吸われる感覚が弱く、むしろ肩にひっかかって肩を押してしまうことが多い。 さらに、指がキー中央にあるのかキーの間にあるのかが分かりづらく、隣のキーを一緒に押してしまうことも多い。

この苦しみは、実はUnicompでも味わった。 Unicompを積極的に採用できなかった最大の要因で、肩を押してしまったり間を押してしまったりということがとても多く、かなりしっかりした打鍵感であるにも関わらず誤打率が結構高い。

UnicompもKeychronも相当ストレスを感じた。

こういう問題を生じるから、キーキャップのプロファイルは本当に大事だ。 誤打を誘発するキープロファイル、本当に信じられないくらいストレス。どんなに素晴らしいキースイッチを搭載していてもそれだけで台無しだ。

あと、高さ以外の面では同一プロファイルでもメーカーによって結構形状が違ったりするので、お気に入りの製品を見つけたいところ。

キーの横の隙間を計測してみた

デジタルノギスを使って計測。キーを横に押さないギリギリを計測した。 対象キーはR1。

キーキャップ 隙間(mm)
Cherry (Varmilo) 6.5
ASA (GAOXINDA) 4.5
ASA (PIIFOX) 5.1
OSA (Keychron) 6.0
OEM (GRAPHT) 5.6

Varmiloは隙間が大きいように感じないのでとても意外。 誤打率から見ればCherryプロファイルはやっぱり優秀なのかもしれない。

GAOXINDAのキーキャップは相当打ちやすい。 基本的な高さがOEMと同じなので、OEMのエンターキーとスペースバーと組み合わせても違和感がないのもいい。