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LINEの挙動が許容できない

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問題の概要

LINEに対しては問題だと思う点はかなり色々とあるのだが、その中で個人情報の不適切な扱いが、もはや看過できない域にあると思う。

特に問題視しているのが以下の2点だ。

  • トークの内容を検閲し、広告に利用している
  • 本人が拒否している電話番号などの個人情報を企業に渡している

前者については、トークにおいて地名が出た場合、その地名に基づく天気予報を広告枠に出してくる。 また、トーク相手が私以外との間で口にしやすい地名に基づく天気情報を出してくることもある。

また、トークの中であるキャラクターや作品について言及すると、その作品のLINEスタンプを広告に出してくるといったこともある。

重要な点として、私はLetter Sealingを有効にしている。Letter SealingはE2EEであるとしているが、Letter Sealing中のメッセージをサーバーが読めている以上、Letter SealingはE2EEではない、ということが明らかであり、また暗号鍵をLINE Corp.が持っていることもまた明らかである。そもそも、E2EEであればPCアプリからやりとりが見えるはずがないのだが。

日常的にそのようなことがあるわけではなく、そういうことがあった直後に発生するためわかりやすい。 また、私の場合ほとんどやりとりのない友だちが2人いるだけ(公式アカウントやグループ等もない)なので、紛れることも考えられない。 また、アプリ内ブラウザを使うこともないし、ブラウジングに関してもFirefox Focusを使っており追跡はできないはずだ。

なお、「情報の提供」という設定項目に「コミュニケーション関連情報」というものがあるが、これについて「トークの内容を取得することはない」と明言している。 また、「広告の最適化」についても

以下のような行為は実施いたしません

として

一般のお客様同士のトーク内容などプライバシーに関わる情報を、表示や配信内容の切り替えで利用する行為 アドレス帳などの特定の目的で収集した個人情報を、予め特定された目的以外で利用する行為

とある。

後者については今日(2020-11-23)あったことだ。

“郵便局 [eお届け通知]”というアカウントから、突然メッセージが届いたが、その内容に

この通知は上記お荷物の配送情報の電話番号とLINEにご登録の電話番号が一致した方に日本郵便株式会社が配信しています。

と書かれている。

私は電話番号による追加・検索は拒否にしている。

つまり、企業に対して、私が公開していない個人情報を利用させている、というわけだ。

いずれも不適切な個人情報の取り扱いであり、ユーザーのプライバシーを悪用している上に、プライバシーポリシーにも反している。 また、検閲という問題もある。

その他の問題

LINEは最近、広告として卑猥なものや下世話なもの、あるいは偽科学など有害であったり、非常に不快なものを配信してくる。

その内容にも非常に問題があるし、誤操作を誘発するような仕様になっていたり、なんの説明もなく別のサービスに連結するなど、非常に悪質な振る舞いが目立つ。

不快な文化圏には関わらないのが私のポリシーであるから、そのようなものを喜ぶ人がLINEのユーザーだというならば、私はLINEを利用するのをやめる方向になるのは当然のことである。

また、LINEが技術的な問題が発生していることを報告した際(スマートフォンでの認証障害であった)に、全く関係のない質問を繰り返した上で、Linuxユーザーには回答しないとするなど、その対応はひどく不快なものであった、ということもある。

問題は

  • プライバシーを侵害する行為がある
  • 非常に不快な行為が多い

という2点を以て

  • コミュニケーションメディアとして信用に足らない

という話である。

対応

Telegramに移行した。

そもそも私は前述のとおりLINEの友だちは2人しかいないため、非常に簡単であった。 (1名はすでに何度もTelegramのテストに付き合ってもらっていたし、もう1名については連絡がとれなくなってもそんなに支障はない状態にある)

私が(または私と)ちゃんと連絡を取りたいと思う相手であれば、こうした事情を以てLINEを使わない、ということは少なくとも理解を得られると言えるし、LINEを使うべきでない、まで伝わると考えても構わないだろう。

LINEからの移行でTelegramを使うにあたって、ということだが、新規に使う人であれば「プライバシーに関する設定項目が多いので、ちゃんと設定する(特に電話番号)」「usernameはつけるとグローバルに公開されてしまうので、つけないようにする(もしくは追加するそのときだけつけて、消す)」という点が挙げられる。

「電話番号は教えたくない」のであれば、LINEのようなその場でのインスタントな追加方法がないのは不便かもしれない。ただし、一時的にusernameを設定するという方法で追加することは可能だ。

ステッカー(スタンプ)という問題はかなり大きいだろう。 私個人は自作によって解決したが、障害になるという人も少なくないものと思われる。

なお、自作するにしてもステッカーは(Twitchなどのように)「絵文字の拡張版」という位置づけになっているため、微妙に使いにくい。

LINEにおける「着せ替え」のようなものはどうだろうか。こちらは少しハードルが高い。 モバイルアプリでは色を変えるくらいはできるのだが、オンラインエディタを使うとフルカスタマイズが可能だ。 ただし、少なくともカラーコードが理解できるくらいのスキルは必要だし、PC前提だと考えて良い。

ステッカー同様、カスタムテーマを導入するにはURLとしてシェアされる必要があり、LINEのように手軽ではない。そのかわり、コストはかからないが。

LINEよりも余計なものがなく使いやすいUIだが、そのかわりカスタムテーマを使った装飾性には劣る。

連絡手段として相手にTelegramを導入してもらう場合には、「英語」というのがハードルになるかもしれない。 前に言ったように、日本語はない。そして、韓国語はあるが中国語はないという珍しい仕様である。

それ以外は概ね良好、というよりもLINEより圧倒的に快適だ。 ビデオ通話も入ったので隙がなくなった。

ただ、LINEの通話は最近、通信量がだいぶ増えた代わりに安定して高品質になったので、その点で劣るかもしれない。

真面目にTelegramへの移行について考える

私はコミュニケーションについて研究している人間であるから、(例えば友だち数が少なくても)LINEからTelegramへの移行が「現実的でなく感じる」という主張はよく理解できる。 それを踏まえた上で、LINEからTelegramへ移行する、ということがどういうことであるかということを真面目に考えてみよう。 もし、あなたがなんの支障もなくLINEからTelegramに移行できるならこれについて考える必要は(あまり)ない。

まず、問題の根幹を考えてみよう。 今回の問題は、第一には LINEの個人情報の取り扱いが不適切で、プライバシーが侵害されている ということである。 私が2番目に挙げた不快な広告というのは、あくまで感情的な問題であり、使うものをLINEからTelegramに替えた時点で解決する。

あなたのプライバシーはあなたが使わなければ守られるだろうか?

答えは否だ。他の人がSNSにあなたの個人情報をアップロードした場合を考えればすぐわかる。 また、SNSであなたが顔出ししていなくても、他の人があなたの写真をタグ付きでアップロードしたらどうだろう?

プライバシーを守る、というのは、「関連付けから守る」という考え方が必要だ。 あなたが個人情報をアップロードすることであなたのプライバシーが危ういのは、それは「アップロードした人」と「個人情報」が関連付けられるからだと言える。

この場合深刻なのは「LINEがトークの内容まで踏み込んだ侵害を行っている」ことであり、あなたが「公開した内容」(例えばプロフィール)にとどまらず、「あなたがやりとりした内容」、そして「他の人があなたについて言及した内容」があなたを危険に晒すことを意味する。

言い換えれば、あなたの個人情報を知らず、あなたについて言及することがない人とやりとりしない人とLINEでつながっていることは(とりあえずは)問題ないということだ。1

切り割りとしても、とりあえず「LINEをどうでもいい相手とのやりとりに使う」という発想が良いだろう。 これは割と合理的な考え方だ。 あなたと関係性の浅い相手はあなたの個人情報を知らない可能性が高く、またLINEの代わりにTelegramを使うよう求めることはしづらいだろう。 そのような、「Telegramを使いましょう」と言えないような相手とは、個人情報を教えない距離感を保ってLINEでやりとりしていれば問題ないわけだ。 これだけでぐっとハードルは下がる。

まずはあなたと、あなたの大事な人がTelegramへ移行することを考えてみよう。 これは、あなたを保護することになるが、あなたの大事な人を保護するためには、あなたの大事な人も同じようにアクトする必要がある。

だが、相手があなたの大事な人であれば、そのリスクを伝えることも熱が入るだろうし、理解を得やすいだろう。

シンプルにこの考えで大きな問題は解決できる。完全に個人情報がLINE上を流れることを防ぐのは難しいが、主要なコミュニケーションがLINEから外れると、情報が分断され、連結が弱くなる。Googleから情報の関連付けを防ぐのは非常に難しいが、LINEが直接に得られる情報は非常に限定的だ。だから、本当に主要な相手とのコミュニケーションをTelegramに移すだけで十分な効果が得られるだろう。

そして、その動きが広がればLINEからTelegramにコミュニケーションの場を移すことは現実的なはずだ。

もちろん、考え方や好み次第で、Discordに移るとかいう選択肢もあるだろう。

Telegramを始める人への注意点とTelegramのポイント

再掲部分もあるが、要点だけをまとめよう。

基本的にスマホアプリで行う設定を意識している。

電話番号ベース

Telegramは(LINE同様に)電話番号にアカウントが紐づく。 ただし、LINEが電話番号というより「スマートフォンに紐づく」という考え方であるのに対して、Telegramはより明確に「電話番号に紐づく」。

だから、LINEと違って単独の端末に縛られるわけではない。複数の端末で同一のアカウントを使うことが可能だ。 また、デスクトップアプリは逆に複数のアカウントを扱うことができるようになっている。

電話番号のプライバシーは2つの設定がある。 “Who can see my phone number?” はプロフィールのデータとして電話番号を見ることができるのは誰か、だ。 やりとりしている相手にも電話番号を知られるのは嫌、ということであればNobodyになる。

“Who can find me by my number?” は誰が電話番号検索で見つけることができるか、だ。 Nobodyがないが、あまり困ることはないだろう。なぜならば、ここでMy Contactsと言うと、あなたが既にcontactsに登録している相手が探すことができる、というだけであるし、あなたが登録しなければ探せない。そもそも、あなたが登録した段階で相手には通知が行く。それで追加を返すことができる。

このMy Contactsが重要になるのは、sync contactsを有効にしている場合だ。 この場合、端末の電話帳のアカウントが登録済みになるから、これで相手から探すことができるようになる。 より厳密に制限したいならsync contactsを無効化すれば良い。

可視性

“Privacy and Security” の項目で、それが許される相手を選択できるようになっている。 基本は3つ

  • Everybody = 誰でもOK
  • My Contacts = 自分のContactに登録している人だけ
  • Nobody = 誰にも許可しない

多くの項目で例外を設定できる。Allowは設定で許可されてないが個別に許可する相手、Denyは設定では許可されているが個別に拒否する相手だ。

username

usernameは@で始まる名前である。私は設定している。

ただし、これを設定した場合、全ての人がグローバル検索が可能になる。 これはLINEのID検索とは異なる。なぜならば、部分一致で候補が出るから、当てずっぽうに入力しただけで発見される可能性があるのだ。 女性っぽいIDや、女性の写真を設定されれば(Skypeや、かつてのOdigoのように)たくさんナンパされるだろう。

Profile PhotoをMy Contactsに限ることでいくらか緩和されるかもしれないが、常に設定しておくことはあまりお勧めできない。

privateryなcontacts登録

電話番号を教えることを厭わないのであれば、電話番号とFirst Nameを指定し、一致すれば追加できる。

だが、互いに電話番号を教えない状態で、かつグローバル検索を嫌う場合はどうすればよいか。

LINEのようにQRやふるふるはないが、一時的にusernameを設定することができるので、これで登録できる。

スタンプ

スタンプはTwitch的な、洋物感あふれるスタンプが簡単に追加できる。

自作はbotと会話しながら行うもので、簡単だが、コンピュータ苦手な人にも容易というわけではない。

また、簡単に自作できるが、著作権には注意が必要だ。

テーマ

スマホではChat Settingsがテーマになる。 5種類の基本テーマとカラーテーマを組み合わせることができる。

また、オンラインエディタを使ってフルカスタマイズすることも可能だが、こちらは結構難しい。 カスタマイズして保存したものは、自動的に端末に反映される。

背景はテーマに含めることもできるが、それとは別に“Change Chat Background”によって設定することもできる。

スマホアプリとデスクトップアプリは完全に別枠。

デスクトップアプリ

Linuxを含め、マルチプラットフォームでデスクトップアプリがある。 フル機能でかなり使いやすい。

MacやLinuxでも通話ができるというのは、結構大きなアドバンテージ。

会話系機能

「押している間だけ送る」ボイスメッセージが便利。LINEにも最近実装された機能だが、なかなか便利だ。 また、同じようにビデオショートメッセージも送れる。

これらを送るオーディオアイコンと画像アイコンはタップ切替式だ。

LINEみたいにでかいボタンが出るわけではないので注意。

メッセージの通知に対しては、その通知そのもので(アプリを開かずに)返信するということが可能。 また、通話に対してメッセージ応答をする機能もある。

グループ

ペンマークから“New Group”で作れる。

LINEのグループより使いやすい。

グローバル

Languageに日本語はないし、電話番号は国番号を含む番号、つまり 81 90 1234 5678のような番号になる。

国際的なことに疎い人にはハードルに感じるかもしれない。

E2EE暗号化の使いどころ

ペンマークから“New Secret Chat”をやるとE2EE暗号化のなされたチャットルームが作られる。

E2EE暗号化は、「その端末でしか」見られない。暗号化されないだけでなく、サーバーで見られることもない。 LINEの「トークを覗かれる」というような心配が、まるでない。

ただし、その端末が失われればもうメッセージを見る手段がない。また、他のデバイスからも見えない。 Secret Chatでのやりとりは機密であり、用が済めば破棄する、という前提のほうが良いだろう。実際、自動消去オプションもある。

なお、通話はE2EEが常にオンである。

既読

✓ はメッセージ送達済みで、 ✓✓は既読。

これは、XMPP(Jabber)アプリなどでもよくある仕様。

既読を隠すことはできないようになっている。

より詳しく

以前の記事に書いてある。

ついでに

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  1. LINEアプリが個人情報を収集し、送信している、といったことがあれば、そもそもLINEアプリを使うこと、インストールすることにリスクがあるということになるが、そういう事実が確認されているわけではないので、「ない」という保証があるわけではないが、とりあえずここではないものという前提にする。↩︎