Chienomi

苦しい苦しい新PC導入、魅力的な白のArkhive

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悲劇はいつも突然だ。

みなさんは私が今のPC構成になったときのことを覚えておいでではないだろう。 だから全部説明しよう。

私が今の家に越してきたとき、メインとなっていたのはLenovoのハイエンドワークステーション、ThinkStation P720だった。

今の家ではワークルームと寝室の2環境がある。いや、リビングもあるから3環境ある。それぞれA10マシンとZ400ワークステーション、そしてP720の3台で回していた。

ところが、P720はその時点でかなり調子が悪かった。 USBポートは認識されないし、唐突に再起動してしまうことがあった。

その症状はどんどんひどくなっていった。そこでRyzen 7 3700XのPCを組み、P720は寝室に行った。 が、寝室でもP720は厳しいレベルだった。なのでもう一台組んだ。Ryzen9 5950Xだ。

でも3700X機も5950X機も不具合が出た。 5950Xはマザーボードを交換したし、3700Xは問題の切り分けをしている最中にスッポンした。 こうして5600Xが誕生した。

そう、新しいPCを組むときはだいたい悲しみに満ちている。

私は寝室のチェアに異変を見つけた。寝室のチェア⋯⋯そう、WINCASEだ。

10万円するチェアにしては随分と短い話だ。そして、10万円するチェアにしては保証期間も短い。 あとエルゴヒューマンの問い合わせフォームがすごくめんどくさい。

Geminiにどれくらいもつと思うかと聞いたら「今すぐ使用中止しろ」と言うので、寝室のチェアを新しくすることにした。 そしてだいぶいいペースで椅子を折っている。私のボディを支えるには、強靭なチェアが必要なようだ。 なので、強靭なチェアを購入した。Steelcase Amiaである。

これで寝室も快適になる⋯⋯と思った翌日のことである。 寝室のPCがフリーズしまくった。 起動して数分でフリーズする。WindowsでもLinuxでもフリーズする。ついにはBIOS画面でもフリーズする。 そして起動しなくなる。POSTがコケる。

なんとか粘れないか⋯⋯と思ったが無理だった。 切り分けをしようにも不安定すぎて切り分けが難しい。

十中八九マザーボードだろうということになったが、3700Xでスッポンしているし、なかなか踏み切れない。 なんとなく、マザーボードもCPUもダメなのではという予感がした。それに、Zen2, Zen3 CPUは割とトラブルが多い印象だ。寝室PCはかなり様々な問題を抱えている。仮にマザーボードとCPUを交換してもその問題が解消されないなら、かなりもやもやした展開になる。

あと、気になる存在がアークにあった。決算セールである。 Arkhiveのなかなか良さそうなモデルが、安かったのだ。

新しいPCのスペック

OS 非搭載
CPU Ryzen 5 9600
CPUクーラー Thermalright Assassin Sprint 120 EVO WHITE ARGB
マザーボード ASRock B850M Steel Legend WIFI
メモリ Ark Selection Memory DDR5-5600 Samsung 1.1Volt (16GB)
ビデオカード AMD Radeon RX 9060 XT ASRock Steel Legend OC
SSD 500GB Kingston NV3シリーズ
ケース Antec CX200M Elite White
電源 MSI MAG A750BN PCIE5 III

従来の寝室PC “snowdrop” と同じようなバランスで、少しダウングレードしているくらい。 ただしCPUは2世代分新しくなっていて、それがそのまま性能差になる形。ビデオカードに至っては3世代分新しくなっている。 メインPCとして(Ryzen 7 3700Xで)組まれていたので、性能や耐久性をそれなりに重視している。この頃は電力的にバランスが良いことがベストだと考えていたので、性能面ではほどほどだ。 このため、最初からミドルを狙っている今回のPCでは性能グレード的には少し下、耐久性の品質的にはある程度下、みたいな感じになる。

初の真っ白PCである。 snowdropもSilverstoneの白ケースではあるけど、中は特に白くない。

そして、初のピラーレスガラスケースでもある。 私はピラーレスガラスケースとかPCケースとして機能性がなさすぎるのではないかと思っているけれども、まぁCX200Mは美形ちゃんだ。

カスタマイズのポイントとしては、次のような感じ

  • ちょっと追加投資して真っ白にしてみた
  • マザーボードは白くするのと同時に耐久性を求めてアプグレ。アークの人に「マザボの電源フェーズは大事」と言われたのを今回も実践
  • ビデオカードはRTX5060からRX9060XTに変更。少し安くなる。メモリは8GBのモデル
  • CPUクーラーは「単に白いだけ」が+1200円するので、+1080円のAssassin Sprintに
  • Windowsはsnowdropから引き継ぐのでOSなし。今回は「どうせLinuxだから」が理由ではない
  • SSDはKingstonの1TB SSDが標準だけど、性能微妙な1TBのSSDがあっても仕方ないので一番安いのにして価格を下げた。まともなSSDを選択するのも普段ならあるけど、今回は3万円くらい高くなってしまうのでさすがにやめた
  • 電源はそんなにグレード上げる余地があったわけではない(GOLD電源とかは普通に高い)のだけど、規格の新しい電源が小さな上乗せで選択できたのでMAG A750BN PCIE5 IIIに。+100Wされてもいるので、将来的なアプグレに強い

眺める

巨大な箱に入ってきた。 本体サイズに対して箱のサイズ過剰じゃない? と思ったら、使用したパーツの箱も入っていた。自作派にも安心な感じだ。

ちなみに、梱包はだいぶ神ってた。

アークといえば繭だけど、今回はさすがにないな…… と思ったら、なんとPCの内部にみっちり繭が……

アークは絶対にPC(パーツ)を無事に届けるんだという強い意思を感じる。

ちゃんと使わない端子はそういうシールを貼ってあったり親切がすごい。 梱包を解いてPC内部に詰め込まれた緩衝材を抜き取ったらいよいよご対面。

初の白PC

しろーい。 いや、snowdropも白いケースだし、だからこそsnowdropの名前を戴いているのだが、中身まで白いとかなり印象が違う。 かわいい。

CX200Mはガラスパネルのサイズが本体のサイズに対してさらに小さいこともあり、小ささをかなり感じる。

中まで白というのは初めてだけど、見ての通り完全な白というわけではない。 電源が黒なので電源ケーブルも黒……なのだけど、そもそもRadeon RX9060XT Steel Legendが側面黒のツートンなので、むしろいいマッチングを生んでいる。

じゃあCPUクーラーは黒でよかったかというと、私の美的感覚に従うとナシ。 ここは黒がポイントカラーになっているからいいのであって、半々くらいになるとなんか違う。

なかなか眩い

黒と比べ白だと反射されるので輝いている感が強い。 ちょっとまぶしい。 「3Dプリンターみたい」と言われて「確かに」となってしまった。

中身

ガラスパネルは側面と正面で2分割。 外し方がわからず困惑したけど、側面はスクリュー外してスライドさせるだけ。 やりづらいので作業用手袋とかつけたほうがいい。 正面側は丈夫がツメで嵌っているので、上側を手前に引っ張る。

しかしこうして見ると微妙に白のトーンが違う。 このあたりまでこだわると相当沼だろうなぁ……

Steel Legendのマザーボードはいい感じだ。 M.2スロットはギリギリながらファンを外さずにアクセスできる。ビデオカードを外すだけでOKだ。

ただCX200Mはサイズにあまり余裕がないので組むのは大変だと思われる。 綺麗に組んでくれていてめっちゃ感謝。私がやったらこんな綺麗にならない。随所に細かなテクニックが光る。

結構みちみちしているのでアプグレの余裕があるかはちょっと怪しい。むしろ、とてもちょうどいいチョイスだったかもしれない。

ケースファンはARGBではないので光り方を変えることはできないのだが、それだけでなく色の変化もしない。一周ぐるっと虹色になっていて固定だ。

最初から全体が虹色に統一されていたが、恐らく出荷前にそういう調整をしてくれたのだろう。 Windowsなし環境なので超助かる。

寝室の様子

寝室なので映り込みの問題からだいぶ加工しているがご容赦いただきたい。 もともとBX4がかなりのスペースを占めていたが、あまり調子がよくなかったのでStinaにして、そのStinaも調子が悪かったのでOVOにという流れになっている。 つまりBX4がスペースをとらなくなったため、奥行きに余裕が出ていた。だがここにPCを置くのはかなり難しいのではと考えていたが、ギリギリまで詰めたところ置けるスペースを確保できた。

もともとはサブディスプレイが右、マイクが左だったのだが、右側にスペースを作る必要があったため逆にした。 以前はサブディスプレイは左配置だったものを右配置に変更していたので、戻した形。 CX200Mがコンパクトなおかげで、ギリギリよりは少し余裕を持って配置できている。

ライティングは邪魔になるんじゃないかと思っていたけれど、「思ったよりは気にならない」が答え。 部屋が暗いと眩しい感じがするけれど、そうでなければ「たまに気になる」くらい。 ゲーム中はほとんど気にならない。

B850M Steel LegendはASRockらしいなかなかの変態的マザーボード。 リヤパネルにはUSB3.2 Gen2 Type-AポートとType-Cポートが各1つ、USB3.2 Gen1 Type-Aが2つ、USB2.0が4つと計8個もUSBポートがある。 ストレージも3つのM.2 PCIeと4つのSATAと、Micro-ATXとはとても思えない仕様。 デバイスたくさん繋ぐ私としてはとても助かる。

性能を試しましょうね

システムディスクはsnowdropが使っていたものを使用。

overallはup2dateで。 計測方法は「(個人的な)新しいベンチマークメソッド」で。

比較対象はsnowdrop(Ryzen 5 5600X, Radeon RX5700XT)。

Unigine Heaven

Model Score FPS MinFPS MaxFPS
GC-A5G56M 3658 145.2 23.3 318.1
snowdrop 3509 139.3 16.2 275.5

Unigine Superposition

1080p Extreme

Model Score FPS MinFPS MaxFPS MinTemp MaxTemp
GC-A5G56M 7820 58.49 46.08 69.45 33.0 52.0
snowdrop 5063 37.88 31.25 44.93 52.0 85.0

4k Optimized

Model Score FPS MinFPS MaxFPS MinTemp MaxTemp
GC-A5G56M 10045 75.14 62.66 89.90 28.0 52.0
snowdrop 7575 56.66 48.82 67.19 51.0 84.0

Antutu Web

Model Browser Score Governor
GC-A5G56M Vivaldi 7.9 126347 AMD-EPP Powersave
GC-A5G56M Vivaldi 7.9 125668 AMD-EPP Performance
snowdrop Vivaldi 6.2 86010 ACPI Performance

Wirple BMark

Model Browser CPU Dri Canvas1 Canvas2 WebGL1 WebGL2 Total
GC-A5G56M Vivaldi 7.9 AMD-EPP 1901 5616 2647 2650 12814
snowdrop Vivaldi 6.2 ACPI 1227 4606 1954 1949 9736

ffmpeg

Model TotalFPS MaxFPS MinFPS Processes
GC-A5G56M 12.0 2.0 1.2 7
snowdrop 6.8 1.5 0.8 6

xz

Model Time CPU Dri
GC-A5G56M 24.707 AMD-EPP
snowdrop 27.566 ACPI

消費電力

Model Idle/Save Idle/Pfm Att/Save Att/Pfm CPU Dri
GC-A5G56M 71 71 120 120 AMD-EPP
snowdrop 60 60 93 96 ACPI

所感

ぱっと見に感じるのは

  • 消費電力自体はsnowdropよりも増えている
  • ウェブのスコアが爆伸びしてる
  • ffmpegもえげつない伸びをしている
  • のに、xzはあんまり伸びていない

消費電力に関しては、AM5の基礎的な消費電力が増えているのと、光り物が増えたことの影響が支配的な可能性が高い。

基礎値としてアイドルで+11W。PPTが+12Wの引き上げで計+23W。 Antutu/Performanceでの負荷が96Wから120Wで+24W。計算上ぴったり。

ウェブ性能はこれまでトップだったRyzen AI9 HX370を抜いてのぶっちぎり。 そして相変わらずPowersave governerのほうがちょっとだけスコアがいい。

ffmpegは驚くほど伸びている。6コアとはとても思えない伸び。 AVX-512が効いているっぽい?

対して特にそういう要素がないxzはコア数が支配的で、IPCの向上分がそのまま乗っているような感じ。

ウェブベンチマークは体感と近いので「世代が新しくなった」を感じられる変化だ。

Appendex

運命の命名

私は伝統的にホスト名として花の名前を与えている。 このPCは初の純白だ。今までも白いPCケースは採用してきたが、中身まで白いPCは初めてだ。 だから、白くて美しい花の名前をつけたい。

このPCを購入できたのは3時くらい。

疲れ切った翌日の勤務、昼休みに外に出たら目に飛び込んできたのは真っ白なマメナシ。 ……さすがに多分、近縁の園芸種。Bradfordとかかな。

というわけで名前が決まりました。callerypear。 ……いや、長いな。でもcalleryだと人名になっちゃうし、pearだと梨だし。

……………………pyrusで。 梨全般、白い花を咲かせるものだし、私の中ではマメナシなのだ。

構成詳細

項目 内容
注文 BTO組み立てパソコン【arkhive Gaming Custom GC-A5G56M AG-AG6B85MGB6-A2M】
保証期間 BTOパソコン通常保証 1年間【標準構成】
出張設定設置サービス 出張設定設置サービス なし【標準構成】
下取りサービス パソコン下取りサービスなし【標準構成】
OS OS非搭載 [対応OSにご注意ください]【カスタマイズ】
CPU AMD Ryzen™ 5 9600 3.8GHz 6Core【標準構成】
CPUクーラー 【ホワイトモデル】Thermalright Assassin Spirit 120 EVO WHITE ARGB サイドフロークーラー【カスタマイズ】
CPUグリス塗布サービス 標準CPUグリスを使用【標準構成】
CPUプレート CPUガードプレートなし【標準構成】
マザーボード ASRock B850M Steel Legend WiFi Micro-ATX [無線LAN対応]【カスタマイズ】
メモリー 16GB (8GBx2) - Ark Selection Memory DDR5-5600 Samsung 1.1Volt【標準構成】
グラフィックスカード 【ホワイトモデル】Radeon RX 9060 XT - 8GB GDDR6 - ASRock Steel Legend OC【カスタマイズ】
システムストレージ (M.2) 【NVMe・PCIe4.0】500GB - Kingston NV3シリーズ SSD M.2 (PCIEx Gen4 x4)【カスタマイズ】
OS用ストレージパーティション設定 パーティション分割 設定なし【標準構成】
追加ストレージ (M.2) 追加SSD [未選択]【標準構成】
追加ストレージ 追加ストレージ無し【標準構成】
光学ドライブ 光学ドライブ非搭載【標準構成】
サウンドカード オンボードHDサウンド【標準構成】
ケース Antec CX200M RGB Elite White【カスタマイズ】
電源 750W - 80PLUS BRONZE - MSI MAG A750BN PCIE5 III【カスタマイズ】
オフィスソフト オフィスソフト無し【標準構成】
セキュリティソフト セキュリティソフト無し【標準構成】
ディスプレイ 同時購入モニター無し【標準構成】
マウス マウス無し【標準構成】
キーボード キーボード無し【標準構成】
マウスパッド マウスパッド無し【標準構成】
ヘッドセット ヘッドセット無し【標準構成】
スピーカー 同時購入スピーカー無し【標準構成】
USB外付け光学ドライブ USB外付け光学ドライブ無し【標準構成】
ウェブカメラ ウェブカメラ無し【標準構成】
お値引き 【標準構成】

Arkhiveって?

秋葉原にある「パソコンショップアーク」が展開するBTOシリーズ。 できたのは2021年と結構最近。

アークは昔からゲームに強いパソコンショップで、周辺の店と比べると一番安いわけではないし、店も狭いけど、「このゲームがやりたい」という相談をするならこの店、というショップ。 知識が豊富で、私がワークステーションの後継を組みたいという話をしたときも耐久性を軸に細かく相談に乗ってくれた。

なので、寝室のPCも、メインPCもアークで組んでいる。 そして別にこの記事は広告ではない。

Arkhiveの大きな特徴が、「自作PCのパーツを使って組む」こと。 Tsukumoとかドスパラだとラインで組まれているし、使われているパーツは専用品だったりするんだけど、Arkhiveの場合は自作パーツを選択して、それを組んで送ってもらう形。 選択肢はそれなりに決まっているけれど、感覚的には組み立て代行に近いものがある。

そして、そのパーツが型番まで明記されていること。 初心者にはハードルが高いかもしれないけれど、自作まで選択肢に入るユーザーにとっては「このパーツを使ってほしい」が明示できるのは相当大きい。

一部のパーツの選択肢に「型番指定なし」があること。 規格に一致する範囲でアーク側にお任せする形になる。 型番指定する選択肢もあるのが普通だけど、お値段は変わることがある。

選択肢そのものが自作PCユーザーにとってニーズの高いものになっているから、「BTOだから」という妥協が相当少なく、結構組みたいものができちゃったりする。 組むのそのものが好きな人はともかく、私みたいに組むのが下手でケーブルをファンに巻き込んだりするタイプの人は綺麗に組んでくれるのはすごく嬉しいところ。

特徴を非常に表している部分として、グラボのオプションでグラボなしがある場合、補助電源ピンの配線だけしてもらうオプションがあったりする。 3000円くらいかかるけど、きれいにやってもらった配線を乱すことなくグラボを追加できるのでその価値あると思う。 あと多分、でかいグラボをPCIeスロットに挿すことを想定した配線をしてくれると思う。

タイミング判断

もし寝室PCが壊れたのが普通のときであれば、とりあえず寝室PCを修復しようという考えになっただろう。

寝室PCが復活したことに関しては、「これで当面しのいで、どうしようもなくなったら買い替えるか」というような判断が利いたと思う。

が、諸兄諸姉ご存知の通り、今のPCパーツの高騰はやばい。あまりにもやばすぎる。

年頭には「2026年いっぱいは高騰が続く」と言っていたはずだ。 現在3月。「2027年半ばまでは高騰が続く」と言っている。

本当に2027年で事態が収束すると考えている人はいるのか?

情勢不安のような不確定要素を除いても、新工場を作ったら作っただけ増大するAI需要によって飲み込まれてしまうのではないか。

そう考えると、3, 4年は高騰が続くような気がする。だから私としては、寝室PCは3, 4年もってほしい。 これはメインPCのバックアップという意味もある。

snowdropは奇跡の復活を果たしたが、では3, 4年戦えるだろうか?

私は否であると考えた。

まず、snowdropは結構挙動が怪しい状態が続いていた。 奇跡的に復活したとはいえ、ここから3, 4年やれるかというと…… 正直、直感としてはやれてしまいそうな気がするが、分の悪い賭けなのは間違いない。

そして仮に3, 4年もったとしても、最初から若干のもっさりを感じていたRyzen 5 5600Xである。 ここから3, 4年戦える性能かというと……そこそこ我慢の時間を過ごすことになりそうだと思う。

そしてさらにもっと長期化したら? 基本的には後になればなるほど資金の投入はしやすくはなるが、それを上回る高騰が続く可能性もある。 snowdropは組んだのは2020年の9月。Ryzen 5 5600Xに換装されたのは2022年。 つまり、4〜6年ほど現役を張っていることになる。 ここから私の読みは3, 4年、さらに長期化もあるとすると、ここで買っておくのは悪くない。

もちろん、既に高いのだから耐えに倒すのが基本的には安牌なのだが、セールで高騰前の+10%くらいの価格になっていることを考えると買っておくのが憂いがないという判断をした。

さらに言えば、買っておくと「最悪潰しても同じ」と考えれば動かなくなったときに修理に踏み切りやすいというのもある。

寝室環境縮小するとか言ってなかったか

あなたは覚えておいでだろうか。 いや、覚えてないどころかそもそもChienomiで言ってないかもしれない。

冒頭で言ったように、うちにはワークルームと寝室で2環境ある。 PC単体で見れば、どちらもフルで作業ができるような環境である。

普通に考えてみよう。 そんな環境を2環境作るのは無駄なことだ。実際、寝室の環境は余り物でできていた。 A10 7870KにFHDディスプレイ1枚。10年前の環境という感じだ。 「まぁ寝る前にちょっとYouTube見たりする程度のものだし」と思っていた。

だが、実際やってみるとシンプルに不満だった。 しばらくその形で運用していたが、メインPCを組み替えた(3700Xマシン、つまり今のsnowdrop)時点で時点で寝室PCがP720になると同時に、ワークルームにあった32インチの4kディスプレイを寝室に持ってきた。

さらにコロナ禍で外に出られなくなり、ここらへんの経緯もあってゲームをやるようになった。原神を始めたのもこの時期。 そしてこの時期からだんだん寝室の滞在時間が長くなってくる。

そして冒頭でも言ったように、「寝室のP720に不満を持ち、寝室に今のメインPCを回すためにメインPCをハイエンドで組む」ということがなされた。 ますます寝室の滞在時間が伸びてワークルームに入らない日が増えた。

いくら寝室を充実させたといっても環境としてはワークルームのほうが良いので、この状態は問題であると考えた。 環境を活かせていないというのもあるが、切り替えができていないということでもある。 だが結構長いこと、寝室に引きこもっている状態になってしまった。

これが頂点に達したのは、寝室のチェアが壊れて(バロン)、代わりのチェアが壊れて(エクサージュ)、代わりのチェアが壊れて(コンティークス)、ミラ2チェアを導入したことだ。 ミラ2チェアは一日中座っていても体が痛くならないので、本当に寝室だけで完結する感じになってしまった。

完全に寝室が作業環境になってしまって、当初の「寝る前にちょっと動画見る環境」という定義が崩壊した。 根本的にこれは良いことではないので、なるべく寝室から役割を引き剥がすことにした。

流れが変わったのは、ワークルームのチェア(WINCASE)とミラ2を入れ替えたこと。 ミラ2のほうが長時間座っていられるし、そもそもミラ2は作業向きだからだ。

ここからワークルームの滞在時間がちょっと増えた。 さらに、メインPCのCPUがフルロードしているときにスムーズに移行できるサブ環境を用意した。 これはZ400を使用していたのだけど、ちょっと後にamd-pstate-eppが使えるようになり、ここでかなり変わった。 今まで性能不足で使い物にならなかったRyzen 7 5700UのIdeaPadが、普通に使えるようになったのだ。これにより、メインPCのCPUがフルロードしている期間でもワークルームで作業することがある程度意味のあることになった。

また、ディスプレイアームを更新してサブデスクでもPCが使えるようにした。 これまではサブデスクはPC作業とは切り離す前提で組まれていたので、結構大きな更新である。

これはサブ環境をスムーズに動かせるという点が分かりやすいメリット。実際、会社PCの環境もサブデスク側に組まれている。 だがもうひとつ大きなメリットとして、デスク環境の姿勢がある。

私のメイン環境は「後傾姿勢」である。 チルトデスクでキーボードに角度がつけられており、マウスは右側、腕を下ろす形でアクセスするようになっている。 バウヒュッテの提唱する「寝ながらゲームシステム」に着想を得たものだが、そこまで深く後傾するようにはなっていない。

とはいえ、後傾姿勢になって角度がついていると、普通にデスクに向かうのとは感覚が違う。 基本的にタイピングはしづらく、情報を入れながらある程度の速度でタイピングするのには良いので、プログラミングなどには適しているのだが、集中的に文章を打つのにはあまり向いていなかったりする。

そういうときは普通のデスクで普通のスタイルのほうが効率が良い。そうなると、「後傾スタイルか、スタンダードスタイルか」というのがワークルームor寝室の選択に直結してしまっている面があった。 これがサブデスクが作業空間として使えるようになったことで、スタンダードなポジションで作業したい場合はワークルームのサブデスクを正面にして行えばいいということになった。要は、寝室PCで作業したい動機が減った。

こうしたことから、ワークルームに入らない日はほとんどない程度には寝室からの引き剥がしに成功した。 本来のコンセプト通り、寝室PC環境はリラックスタイムに使うものという形を取り戻したわけだ。

が、これは開始時点の話。仕事や作業が終わり、「今日のやることは終わった。ごはんを食べて少しゆっくりしたら寝よう」と思って寝室に戻りチェアに腰掛ける。 しかし何か思いついたり、やりたいことが発生したりするとそのまま寝室PCで作業をしてしまったりする。 気になったことがあるとそのままそのPCでやり始めてしまうことが多いため、寝室PCも結構ハードに使われている。

さらに寝室PC環境が「軽い環境」ではない大きな要因として、「ゲームは寝室でやる」になっていることが挙げられる。 性能的に言えばメインPCのほうが上で環境的にもゲーム適性はメインPCのほうが高いのだけれど、どうしてもメインPCでのゲームはリラックスできないというか、ゲームに集中できない感じがする。 そしてそれ以上に、メインPCはほとんどの場合何らかのタスクを回しているため、シンプルにLinuxをシャットダウンしてWindowsに切り替えるというチャンスが少ない。

ゲームをするとなるとPCに対する性能要求は上がるし、長時間連続で座って寝室PCに向き合うことも発生する。 「寝室への依存度を下げてワークルームを活用する」と「寝室PC環境を縮小する」は別軸の話ではあるのだが、前者を達成できたならば後者によって2環境維持という不毛を解消したいと考えるようになるという流れになったのである。 だが、「ゲームをする」という時点で既に後者は難しい。

また、棲み分けの難しい部分もある。その最たるものが「小説を書く」だ。 プログラミングするのはワークルームだろう。技術ブログを書くのもワークルームでいい。

じゃあ小説を書くのは? 生産活動なのだからワークルーム? 楽しみでやっているのだから寝室? 雑談系ブログを書く場合はどうだろうか?

私はこれらはどちらかといえば寝室でやりたいと思うことが多い。だが、いずれにせよ境界線が曖昧な部分がある。

私が考えていたのは、この境界線を思いっきりワークルームに寄せるということだ。 そして、寝室は当初考えていたように動画をみる程度の役割にする。寝室PC環境の縮小プランだ。 そうすると2環境を維持する必要がなくなり、高いチェアを使う必要もなくなる。

ということを構想はしていたのだが、現実は難しい。 「寝室でゲームをする」という形式をとっている上に、ワークルームでのゲームがOS切り替えの問題を発生させるということは、ゲームをほぼやめる、というところまでいかないと実現できない。

さらにもうひとつ。寝室PCはコンテンツアクセス端末でもあり、そのために合計15TBのSSDを搭載している。 寝室PCをラップトップにしてしまえば寝室専用で維持する必要がなくなり、同期するホストが1台減るのだが、このストレージをラップトップに抱えさせるのは現実的ではない。 例えばミニPCであればコンテンツアクセスの役割を担いつつ小さくすることはできるが、この場合物理的に邪魔という問題は軽減されるものの、寝室に固定で設置されている以上同期する端末の数は減らない。 だったらゲーミングPCを置いて同期対象にしても大差はない。

こんなことを悩んでいるタイミングで、椅子が壊れた。そして耐久性の問題から安物の椅子に入れ替えることは断念することとなった。 寝室PC環境を丸々捨てるわけにもいかない。良い椅子を導入するしかなかったのだ。 そのため、寝室のチェアはSteelcase Amiaになった。従来よりも快適な環境が生まれてしまった。

そしてその直後に寝室PCが壊れた。 前節で述べたように、目の前の問題としては蘇生したためそれで良しとする手もあった。 だが、このタイミングで寝室PC環境を切り捨てるという判断ができない以上、著しい不安定動作を見せたPCと不透明な高騰が続くPCパーツと高騰前水準に近いレベルのセール⋯⋯という状況を前に、寝室PCの新調は「そうするよりない」ものだった。

この判断と葛藤は前節で述べたわけだが、この結論は自然なようで暗に「寝室PCの縮小」の否定になっている部分がある。

まず、「今買うしかない」という判断は、「“PCパーツ高騰が落ち着くことを期待して3, 4年耐える” として、今の寝室PCは3, 4年もつだろうか」がfalseの可能性が高いということに基づいている。 しかしこの時点で「今の環境を3, 4年維持したい」と考えているわけで、縮小しない、もしくはできないと考えていることが滲んでしまっている。

そしてそれ以上に大きな事実が、「初めて寝室PCを直接用意している」ということだ。 従来は寝室PCはメインPCのお下がりだった。だが今回は初めから寝室PCを用意するという前提で動いている。 もちろん、メインPCを更新するとなるとPCパーツ高騰の環境下ではすごい費用になってしまって現実的ではないわけだが、それにしてもロジックに寝室PCを重要視していることが滲んでしまっている。

なんとなく、寝室にもう1環境構築し維持することは必然であって、寝室環境はその役割に最適化するのが正義なのではないかとすら思えてきた。 ⋯⋯まぁ、「苦しい状況でPCを買った」ということを正当化したいがためにそう思っている可能性も捨てきれないが。

ちなみに、Arkhiveを購入して縮小を諦めたのとかというとそうではなく、ラップトップでの運用を試したりしている。 だが試した上で思うのは精神的不自由がかなり強い。コンテンツアクセスを置いておいたとしてもだ。 AI X1 Proではあまり感じないので性能的な問題かもしれない。もしくは拡張性の問題か。 使いたいデバイスをすぐにつけられるわけではないことは……影響はしていそうだけど、ラップトップでのテスト中はそんなにデバイスを追加する必要は発生しなかったので理由としては弱く感じる。

だから性能の問題説が有力だがもうひとつ明らかな点としてケーブルの取り回し問題がある。 17インチのラップトップの左右からケーブルが生えているのは明確に邪魔。加えて運用中リッドクローズしておくのは熱的に不安がある。これがストレスになっていたので、これが思った以上に大きかったのかもしれない。

CachyOS / KDE Plasma Waylandでも計測してみる

ゲームするけどWindowsはもう嫌、ということでCachyOSとのデュアルブートで運用していたのだけど、超絶ストレスのたまるCachyOS KDE Plasma Wayland (PipeWire)環境を、それなりに納得できるくらいに調教できたので一本化してみようかなと検討した。

なので、それでベンチマークスコアは変わるのか試してみよう。 比較の環境はManjaro Cinnamon (X11, PulseAudio)だ。

Unigine Heaven

Model Score FPS MinFPS MaxFPS
Manjaro 3658 145.2 23.3 318.1
CachyOS 3635 144.3 23.6 315.1

Unigine Superposition 1080p Extreme

Model Score FPS MinFPS MaxFPS MinTemp MaxTemp
Manjaro 7820 69.45 46.08 58.49 33.0 52.0
CachyOS 7811 69.38 46.00 58.42 37.0 56.0

Antutu Web

Model Browser Score Governor
Manjaro Vivaldi 7.9 143560 AMD-EPP Powersave
Manjaro Vivaldi 7.9 126347 AMD-EPP Powersave
Manjaro Vivaldi 7.9 125668 AMD-EPP Performance
CachyOS Vivaldi 7.9 125142 AMD-EPP Performance

結論

まず、ほぼ変わらない。 基本的にはCachy OSのほうがスコアはやや低い。

これはそもそもX11からWaylandに変更したパフーマンス的なベネフィットはほぼなく、ミニマルなManjaroの構成に対して重厚なCachyOSの構成であることや、室温が高くなったことなどが影響して下がったのだろうと推察される。

なのになぜかPowersave governorの時だけAntutu HTML5 Benchmarkの結果がぶち抜けている。 外れ値の可能性を疑って再度やってみたが、2回目はNaN(!!)、3回目は143727だった。

じゃあPerformanceはなんだったんだと思ってやってみたところ、結果は2回目が142668、3回目は125322だった。

意味がわからない!

とりあえずWayland, CachyOSへの移行が劇的にパフォーマンスが改善するということはなさそう。 ただ、レスポンスはよくなった感じは相当あるんだよなぁ。