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Xperia 10 IIを音楽プレイヤーとして購入

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これまで音楽プレイヤー(PDAP)としてXperia XZ3Axon7の2台を使ってきたのだが、Xperia XZ3の方を「洗濯機で回して壊す」というなんともダイナミックなことをやらかしてしまった。

実はそこに至るのにちょっとした(腹立たしい)経緯があったりするのだが、いずれにせよそういう理由で音楽プレイヤーを失ってしまった。

そもそも2台構成の必然性に若干疑問があり、別にAxon7で運用してもよかったのだが、いくつか気になる点があった。

まず、私の手元のAxon7はちょっとバッテリー傷みがあり、バッテリーもちが結構悪く、電源オフでもそれなりに放電する。 電源をオフにしていたとしても、出かけるときに充電が足りてないという可能性がそれなりにあり、出かける前に計画的に充電しないといけないのはちょっと不便。

加えて、Axon7はめちゃくちゃ滑る端末なので手帳型ケースを使っているのだが、私は基本的にスマートフォンは外に出したら洗浄するようにしている。 そして、手帳型ケースと洗浄の相性が非常に悪く、しかも使っているケースがなおさら拭くのに適さないものなので、あまり外に持ち出したくない。 また、Axon7は防水でもないため洗浄が難しく、その意味でも困ってしまう。

Xperia 10 IIという選択

前提として、Xperia XZシリーズは極端に安価なモデルで、その背景には不人気があるのだが、それにしても同時期のハイエンドモデルとしては驚くほど安い。

XZ3は2018年11月発売のハイエンドモデル、10IIは2020年4月発売のミドルモデルである。実質的な世代差はひとつ。 だが、中古相場は10IIのほうが1.5倍くらいする。 それでも10IIも不人気モデルでXperiaとしては安いほうなのだけど……

そのため、基本的にXZ3をもう一度買う方向で考えていた。 割と満足していたし。 しかし、壊して同じスマートフォンを買うのはちょっと芸がないので、他のものをさがしていた。

すると、(いつもの)イオシスでXperia 10 IIの「通信制限▲」1モデルがあって、こちらがXZ3と同程度の価格だったので、購入した。

Xperia 10 IIの概要

2020年に発売された、ミドルクラスのスマートフォン。 SoCにSD665プロセッサを搭載し、21:9のOELDウルトラワイドディスプレイが大きな特徴。 21:9でありながら6インチとちょっと小さめのサイズで、比較的薄型軽量に仕上がっている。151gという重量は、「軽い」と認めるに十分なものだ。

メモリは4GB、ストレージは64GBと当時のミドルクラスを感じさせるもの。メモリは結構少なめと見てもいいかもしれない。 ディスプレイは2520x1080px。 USBインターフェイスはType-C。

microSDカードスロットと、3.5mmジャックを搭載している。 カラバリは4色。 IPX5/IPX8の防水性とIP6Xの防塵性を持っている。

で、前述のように不人気モデルなのだけど、不人気の最大の要因はカメラだ。

XperiaはSonyのスマートフォンだが、前提として、Sonyはカメラの心臓部であるCMOSセンサーの最大手である。 2023年時点で42%という圧倒的なシェアナンバーワン。2位のSamsungが19%。 なお、これでもイメージセンサーはCCDではSony一人勝ちだったから、CMOS主力の時代になってシェアは落としている。

つまり、多くののスマートフォンのカメラはSony製のイメージセンサーを搭載している。 カメラモンスターであるVivo X90もOPPO Find X6 Proも、iPhone15もSony製のセンサーだ。 だから、その気になればSonyは究極のカメラモンスターを発売することもできる。

が、同時にSonyはデジタルカメラのメーカーでもある。 このこともあってか、SonyのスマートフォンであるXperiaには、他メーカーに卸しているものと比べて随分と「ショボい」センサーを搭載している。

多少その状況は改善されているが、それでもXperia 1 V(小型版IMX903, 1/1.33in)はハイエンドというにはちょっと……というセンサーである。 Xperia Pro Iのほうは1inセンサー(センサー自体は不明)を使っているし、MKIIのほうではIMX903のフルバージョンを使うということで、Proのほうが中国メーカーのハイエンドと同じくらいの価格感だから「そういうものだ」と言えなくもないのだけど、「Sonyなのにカメラがそんなになんだよな」という気持ちがどうしても拭えない。

そして、現在では「そんなこともないよ」という反論ができるのだけど、当時はだいぶ極端にイメージセンサーをケチってた。 ハイエンドは多少気張っていたけれど、それでも中国のカメラにはだいぶ負けていた。

それでいて、SD665を搭載するライバルよりも高価だったことが批判を集めたらしい。 あと、SD720Gというより高性能なプロセッサを積んだモデルがライバル関係になる価格だったことも響いた。 ミドル帯は、ちょっとでも価格を盛れば何か尖った要素が付いてくるか、もしくはワンランク上の性能か、みたいな熾烈な競争になっているため、ちょっと高いだけでも結構評判に響く。

レビュー

幅が狭くて持ちやすいのは認めるが、素材としては相当滑りやすく、長さは指が届かないため、何かしら対処しないと扱いが難しい。 リングがあれば十分届くため、リングが無難か。

ちなみに、過去イチ滑りやすい端末である。 置いてるとちょっとした傾きで滑り落ちていることがめっちゃある。

電源ボタンが指紋センサーになっていて、とてもアクセスしやすい、のだが、実はこれがこの端末一番の欠点。 かなりの頻度で指紋センサーが反応しない状態になる。

SDカードスロットはピンなしでアクセスできるので使いやすい。

カメラに関しては、相当パッとしない。「撮れるだけ」という感じで、メモ程度には機能するが、作品として残すのは無理がある。

端末の問題ではないかもしれないけれど、素のAndroidにあまり触れていない私としては「うーーーん」と思うようなアプリラインナップも気になる。 私が購入したのはY!Mobileモデルで、キャリアアプリは控えめではあったけれど、おそらくAndroidバンドルと思われるものがあまりに多かった。 特にFacebook/META関連は、単にFacebookアプリが入っているだけでなく、システムアプリとしてFacebookのトラッカーがいて、FacebookをアンインストールしてもFacebookと交信していた。

同様にシステムアプリとして導入されているのが、AccuWeather, Booking, Amazon Prime Video.

逆に写真アプリがバンドルされておらず、Googleフォトを使うことになる。

音楽系の機能はDSEE HXしかなく、Xperiaが必ずしも音楽再生にフォーカスいているわけではないのだなという感じ。

今回の場合、中古でとても安かったから「あんまイケてない」でも納得するけれど、これは当時普通に買ったらがっかりするような気がする。

画面はかなりキレイ。輝度もそれなりには出る。

また、音楽再生は何も問題なくできる。 わざわざ言う理由がよく分からないという人もいるかもしれないが、古い端末は音楽再生すると飛びまくるということが結構あった。 その意味では、音楽再生用にすることを考えて購入したArrows NXは音楽再生時に音が飛んでしまうのでずっと眠っている。

性能面では割と厳しめ。音ゲー端末として使えるかどうかについても、かなり限られたタイトルでないと無理。 別に常時もっさりするわけではないけれど、何か処理が走ると「遅いなぁ」と感じる。

見た目の質感はとても良い。 この点はかなり気に入っている。 また、小さくて軽いことは素直に評価できることだ。滑りやすすぎるため持ちやすいわけではないが、ポケットに入れるのは楽。

3.5mmジャックがあるのはとても便利。 SD665のDACは特段良いものではないけれど、有線接続にアダプタが必要なXZ3よりも高評価を与えて良いだろう。そもそもDACの質の違いよりも、アダプタによる歪のほうが大きいものだろうし。 加えて言うなら、自分でDACを持っていないタイプのアダプタが最近は入手困難なので、アダプタが必要なやつは音楽プレイヤーとしてはできれば避けたい。なお、一応ダイソーにある。

XZ3はAndroid10まで上がるが、Android10に上げてもジャスチャーナビゲーションは使えない仕様だった。 10IIは普通にジェスチャーナビゲーションが使える。 また、画面録画機能もある。

結論

トータルで見ればさすがにXZ3のほうが良い。

普通に10IIを買うとXZ3の1.5倍くらいするので、そこまで出して買う価値は特に感じない。

唯一大きなアドバンテージと言えるのが、3.5mmジャックがあること。 私は外出時は大抵Bluetoothなので絶対というわけではなかったのだけど、やっぱあると嬉しいではある。

あとはAndroid11まで上がるのを評価できるかもしれない。 私は別にいらないけれど、ジェスチャーナビゲーションがないのは不便だったから、そこは嬉しい。

デバイスのサイズ感で言えばこれくらいがちょうどいいと思う。 Findは大きすぎる。 四角いボディは持ちやすく、やはりエッジディスプレイでないほうが良いし、ボディは四角いほうが扱いやすいと感じさせる。

というところで良いところがないわけでもないのだけれど、「3.5mmジャックとmicroSDカードスロットがあって、大きすぎず、エッジディスプレイでなく、四角い」というところに魅力が限られてしまっているため、それだったらReno9Aで良いなぁ……というのが正直な気持ち。

XZ3は結構いいチョイスっぽかったけど、10IIはぱっとしない。 オーディオプレイヤーとして、これといった不満があるわけでもないのだけど。