Chienomi

Sony Walkman NW-A50にまつわるあれこれ

製品・サービス::mobile

Sony Walkman NW-A50 (NW-A55) を購入した。

これはいくつか理由があって、まず非常に良好な音を出していたAxon7を破壊してしまったこと。まぁ、とにかく持ちにくい端末で、めっちゃ落としてたからいつかやるとは思ってた。

R2 Compactが音楽再生ができないこと。音が飛んだり早巻きになってしまったりするのでとても耐えられない。

R17 ProはSDカードに対応していないのでとてもミュージックライブラリをつっこめないこと。

最近のスマホは3.5mmジャックなし、SDカードスロットなしが普通なので、「気持ちよく音楽が聴ける端末」と言い出すと選択肢がものすごく限られてて端末が選べないこと。

こうした色々なイライラとストレスに苛まれ続けてきた(Axon7が使える間は特にこのストレスはなかった)。今この瞬間は今まで使ってきたCOWON M2を使うという方法もある。 だが、アレは、まず操作性が極悪で、ミュージックライブラリが大きくなると任意の曲を再生するだけでも時間がかかるし、何よりも一体なんの条件かわからない理由でしょっちゅう曲が壊れているとして再生できないし(Linuxで転送するとかなりの確率でなる)、しかも入れている曲が時と共に再生できなくなったりするし、よくライブラリが壊れるし、SDXCを使うのは無理矢理だし、結局激しいストレスに苛まれてしまう。

そうしたストレスからの解放を求めて購入した。

NW-A50にした理由は、安かったからというのが大きい。4万円くらいまでは出すつもりではいたのだが、そのレンジ内で明らかに「これがいい!!」と思うような製品がなかった。 AKM4493のサウンドが好きだったのだから、AKM4499EQの端末を買えばいいのだが、FiiO M15はさすがに高いしA&Ultima SP2000はいくらなんでも高すぎる。 NW-A100は特にアドバンテージがあるようには思えなかったし、再生時間が私の使い方だと足りない。 FiiO M5は考えたけれど、再生時間が足りないし、他はAKM4493を使っていた関係上AKMのミドルモデルをこのタイミングで使うのは微妙かもと思ったのもある。

まぁ、あとはsatさんがNW-A50を買って音がいいと絶賛していたからというのもある1

で、初日からがっつりLinuxerらしい使い倒しをしたので、私が購入時に検索しても全然出てこなかった、技術的に割とどっぷりと踏み込んだ内容を書いていきたいと思う。

なお、ここらへんの仕様のかなりの部分についてはWalkmanとして共通の部分(緩やかに変化する部分)だと思われるので、他機種Walkmanを利用されている方にも有効な内容だと思う。(特にNW-A100とか)

情報

対応形式

以下のように示されてる

  • MP3
  • WMA
  • AAC
  • ATRAC
  • FLAC
  • WAV
  • HE-AAC
  • Apple Lossless
  • AIFF
  • DSD
  • MQA
  • APE
  • AVC
  • MPEG4
  • WMV

最後の3つはビデオ形式だが、ビデオコンテナフォーマットからオーディオを再生できるということらしい。 だから恐らくビデオ形式が実際に何かは問われないのではないかと思える。

だが、実際にはHEVC/AACのファイルは再生できなかった。

また、対応として書かれていない Ogg Vorbisも再生できない。 また、Ogg Opusに関してはファイル自体が認識されない。

WM-A100はAndroidだしできそうな空気だけど、少なくともWM-A50はできない。

以下は後述する仕様も含めて対応した、ミュージックライブラリを変換するためのZshスクリプト。

前提として、カレントディレクトリを起点にartist/album/track.(flac|wav)という形で元データがある想定になっている。 可能な限りスキップするので、更新時はdestファイルの削除が必要。

#!/bin/zsh

setopt EXTENDED_GLOB

source ~/.config/reasonset/musiclib.rc

if [[ -n $1 ]]
then
  MUSICLIB_PORTABLE_AAC=$MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$1
fi

for artist in *
do
  typeset oartist="$(tr '!?"/\<>*|:' '_' <<< "$artist" )"
  for i in $artist/*
  do
    typeset oalbum="$(tr '!?"/\<>*|:' '_' <<< "${i:t}" )"
    print "***** ALBUM $i"
    typeset odir="$oartist/$oalbum"
    if [[ ! -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir ]]
    then
      mkdir -pv $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir
    fi
    if [[ -e $i/cover.jpg && ! -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg ]]
    then
      cp -v $i/cover.jpg $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg
      jpegtran $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg > $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$oalbum.jpg
    fi

    if [[ -n $i/*.(flac|wav)(#qN) ]]
    then
      [[ ! -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg ]] && ffmpeg -n -i $i/*.(flac|wav)(#q[1]) -map 0:v -codec copy $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg
      for j in $i/*.(flac|wav)
      do
        typeset ofile="$(tr '!?"/\<>*|:' '_' <<< ${${j:t}:r})".m4a
        [[ ! -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$ofile ]] && ffmpeg -n -i $j -vn -c:a libfdk_aac -b:a 320k -cutoff 18000 $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$ofile
      done
    fi
    [[ -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg && ! -e $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$oalbum.jpg ]] && { print "**Generate WALKMAN Albumart."; jpegtran $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/cover.jpg > $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$oalbum.jpg }
  if [[ -n $i/*.m3u(#qN) ]]
  then
    sed -e '/^\/home/ { s:.*/::; s:\.flac$:.m4a:; y/!?"\\<>*|:/_________/; }' $i/*.m3u > $MUSICLIB_PORTABLE_AAC/$odir/$oartist-$oalbum.m3u
  fi
  done
done

対応フォーマットがやや悩ましい。容量に余裕があるのならFLAC(べったりAppleな人ならApple Lossless)でいいだろうが、高ビットレートlossyに適するVorbis/Opusが使えないのが辛い。 選択肢の中ではAACが最も良いだろうが、そもそもAACは96-128kbpsをターゲットにしたもの(HE-AACはもっと低ビットレートがターゲット)なので、高ビットレートでの音質はいまひとつ。 ここでは私は320kbps CBR AACを選択している。2

SDカード形式

ディレクトリレイアウトなどを専用に組む必要があり、Walkmanでフォーマットする必要がある。 なお、64GBとmicroSD SDXCカードをフォーマットしたところ、exFATが使われた。 ラベル名はSD_CARDになる。

フォーマットしてしまえば普通にmicroSDとして使える仕様であり、取り外してカードリーダーなどで読み書きしても問題ない。 SDカードの付け外しは割と簡単で、オンラインでのマウント/アンマウントもできる仕様。

なお、upto 128GB SDXCになっているが、普通に大容量SDXCカードも認識する、らしい。

USBマスストレージクラス

標準のソフトウェアを使うのが基本となるものではあるものの、接続すると標準でUSB Mass Storageクラスドライバで動作する。 接続すると本体操作で簡単にUMSのオンオフが可能。

標準ソフトウェアのできがひどいということは全く気にならない。 USBマスストレージとして簡単に使えるし、スマホのMTP接続なんかよりははるかに快適。

(Linuxerじゃない人のために説明すると、WindowsならExplorer、MacならFinderで簡単に扱えるということである)

USB DAC

説明書にある通りの手順でLinuxからも認識される(USB Audio Device Classで動作する)。

PulseAudioで見るとこんな感じ。

    index: 12
    name: <alsa_output.usb-Sony_WALKMAN_10458705436605-00.analog-stereo>
    driver: <module-alsa-card.c>
    flags: HARDWARE DECIBEL_VOLUME LATENCY DYNAMIC_LATENCY
    state: IDLE
    suspend cause: (none)
    priority: 9049
    volume: front-left: 65536 / 100% / 0.00 dB,   front-right: 65536 / 100% / 0.00 dB
            balance 0.00
    base volume: 65536 / 100% / 0.00 dB
    volume steps: 65537
    muted: no
    current latency: 39.29 ms
    max request: 6 KiB
    max rewind: 6 KiB
    monitor source: 16
    sample spec: s16le 2ch 44100Hz
    channel map: front-left,front-right
                 ステレオ
    used by: 0
    linked by: 1
    configured latency: 40.00 ms; range is 0.50 .. 2000.00 ms
    card: 4 <alsa_card.usb-Sony_WALKMAN_10458705436605-00>
    module: 31
    properties:
        alsa.resolution_bits = "16"
        device.api = "alsa"
        device.class = "sound"
        alsa.class = "generic"
        alsa.subclass = "generic-mix"
        alsa.name = "USB Audio"
        alsa.id = "USB Audio"
        alsa.subdevice = "0"
        alsa.subdevice_name = "subdevice #0"
        alsa.device = "0"
        alsa.card = "3"
        alsa.card_name = "WALKMAN"
        alsa.long_card_name = "Sony WALKMAN at usb-0000:00:14.0-14.4, high speed"
        alsa.driver_name = "snd_usb_audio"
        device.bus_path = "pci-0000:00:14.0-usb-0:14.4:1.0"
        sysfs.path = "/devices/pci0000:00/0000:00:14.0/usb1/1-14/1-14.4/1-14.4:1.0/sound/card3"
        udev.id = "usb-Sony_WALKMAN_10458705436605-00"
        device.bus = "usb"
        device.vendor.id = "054c"
        device.vendor.name = "Sony Corp."
        device.product.id = "0b8c"
        device.product.name = "WALKMAN"
        device.serial = "Sony_WALKMAN_10458705436605"
        device.string = "front:3"
        device.buffering.buffer_size = "352800"
        device.buffering.fragment_size = "176400"
        device.access_mode = "mmap+timer"
        device.profile.name = "analog-stereo"
        device.profile.description = "アナログステレオ"
        device.description = "WALKMAN アナログステレオ"
        alsa.mixer_name = "USB Mixer"
        alsa.components = "USB054c:0b8c"
        module-udev-detect.discovered = "1"
        device.icon_name = "audio-card-usb"
    ports:
        analog-output: アナログ出力 (priority 9900, latency offset 0 usec, available: unknown)
            properties:
                
    active port: <analog-output>
PulseAudioで認識されたWalkman

なお、割と遅延が大きめなので注意。音ゲーなんかには使えない。

アルバムアート

アルバムアート(カバーイメージ)はちょっと複雑な仕様。

ポイントは以下の通り

  • 埋め込みアルバムアートは条件厳し目
  • cover.jpgというファイル名では不可。 当該ファイルの置かれるディレクトリのディレクトリ名+拡張子でないとダメ
  • 画像サイズは4k*4kまで。形式はjpeg/gif/bmpで PNGは非対応
  • JPEGはBaseline JPEGのみ

以下、Zshで再帰的にcover.jpgをNW-A50で認識される形にするワンライナー

for i in **/cover.jpg; do jpegtran $i > ${i:h}/${${i:h}:t}.jpg; done

cover.jpgは単純に無視されるため、共存はそれほど難しくない。

接続

これはかなり注意が必要な点として USB専用ケーブルを使うタイプである。

Amazonで “USB walkman ケーブル” で検索すると社外品が色々出てくるのでそこまで困ることはないと思うが、かなりやめてほしい話。

しかも、キャップをしないと腐食してしまうので必ずキャップをするようにという注意書きが入っている。 そんな問題点を認識しているのならば、注意書きを入れるのではなく、安全なジャックに変更すべきでは? Sony自身キャップレス防水なUSBポートのスマホを作っているはずだし…

サウンド

サウンドは飾り気がなく地味で、ヴォーカルが小さい音量からどんなセッティングでもしっかり聴こえるSonyらしいもの。

不思議なことにイコライザをいじってもここらへんは変わらない。 ちゃんとキャラクターって出るものだ。

私自身はリスニングはドイツや中国みたいなゴリゴリバキバキの音が好きで、仕事でもUltrasoneを使っていたりするのだが、それに慣れた身としてはゴリゴリバキバキ系のイヤフォンを使ってもさっぱりすっきり飾らない感じになるのはちょっと「えっ…」となってしまう。

だが、それが悪いということではなくて、キャラクタの話。 どうしてもゴリバキにするとヴォーカルが埋もれてしまって、気持ちはいいけどもやもやするみたいな感じになりがちで、ここからヴォーカルを前に出そうとすると結構ごちゃついたりする。制作時はマルチトラックなので対処方法は色々あるが、ミックス済みの音をイコライザーでなんとかするというのは難しいものだ。

その点、「聴こえない音はどうしたって聴こえない」のであり、しっかりとヴォーカルが聴こえるという点は好みの音に味付けしても音が死ににくて扱いやすい音である。

また、ヘッドフォン以上にプレイヤーのキャラクタが強いが、だからこそヘッドフォンのキャラクタが明瞭に差が出る。 加えて楽曲のミックスの差も出やすく、音楽を深く味わいたい人にはお勧めできるSonyらしいサウンドだ。3

イコライザは種類が少なく、他の多くのプレイヤーのように劇的な変化をもたらすイコライザはない。 ただし、用意されているイコライザはいずれも実効性があり、使いどころのないプロファイルはない。 カスタムプロファイルの設定は可能で、この場合もプラス方向にいじっても音割れすることはない。4

その他いくつかのエフェクト(機能含む)が用意されている。 デフォルトでオフになっていることからもわかるように、「とりあえず入れるでOK」というタイプのものではなく、明確な意図と理由がある場合にオンにするようなものである。

徹底的にシールドされてるわけではないようで、ノイズ感はちょっとあるが、そもそもポータブルオーディオでしっかりとシールドされたケーブルのヘッドフォンなんか使わないだろうから、あんまり気にするようなところではないだろう。

なお、私はリスナーとしては室外でのハイレゾには否定的だし、制作者としてはそもそもハイレゾ(特に高周波域)には否定的である。だって制作時、音が飽和しないようにローパスフィルタで上のほうの帯域をばっさり切るもの。 一般的には15kHzとか14kHzとかで切るけれど、私は60kHzあたりまで聴こえるので音質への影響をすごく感じてしまって、だいたい18kHzとかで切っている。これはかなり上まで残しているほうなのだ。(あんまり音圧詰め込まない、ダイナミクスを大事にするタイプだということも関係している) もちろん、すごく静かな室内で目を閉じてアコースティック音楽を聴くときとかはハイレゾのほうがいいけど。

再生選択

全曲

ライブラリ内の全曲が対象。ソートはファイル名順。

全曲シャッフルする場合はコレではなく、「おまかせチャンネル」から。

アルバム

アルバム名でソートされ、下階層はアルバム収録曲。 同名別アーティストのアルバムは分けられる。 別フォルダ同アーティスト同アルバムは統合される。

非常にポイントが高いところとして、 日本語の名前はアルバム、アーティスト共に音声で(カタカナで)分類される

だいたいこの手のプレイヤー(ソフトウェアを含む)は「後ろのほうに大量の漢字でソートされた項目が並んで役立たずになる」ものなのだが、ひらがな/カタカナをまとめてソートするだけでなく、漢字のアーティスト名やアルバム名もしっかりとソートされるので非常に使いやすい。 認識精度もかなり良いので、「ソートされたせいで見つけられなくなる」みたいなことは(私のようにマイナーアーティストのCDを大量に持っている人でも)かなり少ない。

ここらへんは日本製品ならではで、ONKYO HF Playerでも対応してない部分だったりする。

アーティスト

アーティスト名順ソートで、下層はアルバム。

Allという仮想アルバムが設定され、これを再生することでアーティストの全曲再生が可能。

設定でアーティストではなくアルバムアーティストによるソートも可能。 ただ、一般的にアルバムアーティストは設定されていないし、使いどころは少ないかも。 なお、 albumartistがアルバム全体を通してのアーティスト指定であり、artistはトラックのアーティストなのだが、大抵の人は逆に理解しているし、だからCDDBから取ってくると逆になっていたりする。 だから尚更使いどころがない。コンピレーションアルバムできっちりalbumartistを設定するタイプの人は超マメだと感心する。お付き合いしてほしいくらい。

ジャンル

ソートはジャンル名順。下層はアルバム。

こちらもAll仮想アルバムがある。

リリース年

Yearでソート。下層はアルバム。

All仮想アルバムあり。

作曲者

あんまり設定されてない作曲者によるソート。下層はアルバム。

All仮想アルバムあり。

プレイリスト

プレイリストファイル名順ソート。下層は楽曲。

プレイリストはUTF-8(BOMなし), LF, ディレクトリセパレータ / のUnix式m3uでOK。 Windowsで作ったm3uは試していないけど、対応しているはず。

私は相対パスでしかプレイリストを作らないので絶対パスでの指定方法は不明。 SMPlayerなどで作りやすくて良い。

ハイレゾ

ハイレゾ音源のみの絞り込み。下層に「全曲」「アルバム」「アーティスト」がある。

なお、大きな注意点として、こんな感じのハイレゾ音源

ffprobe version n4.2.3 Copyright (c) 2007-2020 the FFmpeg developers
  built with gcc 10.1.0 (GCC)
  configuration: --prefix=/usr --disable-debug --disable-static --disable-stripping --enable-avisynth --enable-fontconfig --enable-gmp --enable-gpl --enable-ladspa --enable-libaom --enable-libass --enable-libbluray --enable-libdav1d --enable-libdrm --enable-libfreetype --enable-libfribidi --enable-libgsm --enable-libiec61883 --enable-libjack --enable-libmfx --enable-libmodplug --enable-libmp3lame --enable-libopencore_amrnb --enable-libopencore_amrwb --enable-libopenjpeg --enable-libopus --enable-libpulse --enable-libsoxr --enable-libspeex --enable-libsrt --enable-libssh --enable-libtheora --enable-libv4l2 --enable-libvidstab --enable-libvmaf --enable-libvorbis --enable-libvpx --enable-libwebp --enable-libx264 --enable-libx265 --enable-libxcb --enable-libxml2 --enable-libxvid --enable-nvdec --enable-nvenc --enable-omx --enable-openssl --enable-shared --enable-version3 --enable-libfdk_aac --enable-nonfree
  libavutil      56. 31.100 / 56. 31.100
  libavcodec     58. 54.100 / 58. 54.100
  libavformat    58. 29.100 / 58. 29.100
  libavdevice    58.  8.100 / 58.  8.100
  libavfilter     7. 57.100 /  7. 57.100
  libswscale      5.  5.100 /  5.  5.100
  libswresample   3.  5.100 /  3.  5.100
  libpostproc    55.  5.100 / 55.  5.100
Input #0, flac, from '01_届けたい想い(Jazz Ver.).flac':
  Metadata:
    ARTIST          : Sono Makers
    ALBUM           : IxShe Tell アレンジサントラ
    TITLE           : 届けたい想い(Jazz Ver.)
    track           : 1
  Duration: 00:02:54.89, start: 0.000000, bitrate: 2714 kb/s
    Stream #0:0: Audio: flac, 96000 Hz, stereo, s32 (24 bit)

をffmpeg+libfdk_aacで変換すると ハイレゾAACとして認識はされるが、再生できなかった

最近追加した曲

専用ソフトを使ったときのみ認識される模様

フォルダー

普通にファイルブラウザ。

最上層は本体/SDカードで、最下層はファイル。

再生はファイルパス順。シャッフル再生した場合、同フォルダ内の曲でシャッフルし、全曲を再生するとファイルパス上次のフォルダでシャッフル再生する。 次のフォルダを再生するかどうかは設定によって制御可能。

おまかせチャンネル

曲調によって自動振り分けされるいわゆる「AI型プレイリスト」。

「全曲シャッフル」がここにある。

この振り分けはPC側で専用アプリを使う必要があるらしい。 純Linux環境だと使えない機能になる。

録音した曲

まんま。マイク内蔵ではないのでICレコーダーとしては使えない。

外音取り込み

外音取り込みという機能はマイクから音を拾ってスピーカーから流すもの。

なかなか有用そうだと思ったのだが、専用イヤフォンを利用した場合のみ有効ということで、現実的には

FM

イヤフォンケーブルをアンテナにするタイプで期待していなかったのだが、非常に感度がよく、室内でもクリアに聴こえる。

なんと、私が使っている、TV線をつないだコンポやチューナーよりもちゃんと聴こえるのだ……

電源管理

後継のNW-A100を含め丸一日外出するとバッテリーが持たないDAPが多い中、バッテリー持ちは優秀。

状態はスリープとシャットダウンで、シャットダウンは長押しするとダイアログが出る。 さらに長押しを続けるとリブートという操作方法。 基本的にはスリープで運用する感じっぽい。

操作感

まず、イヤフォンジャックは3極TSRであり、4極TSSRではない。 なので、ヘッドセットについているコントロールボタンは効かない。

本体は4.3インチのスマホよりも一回り以上小さく軽い感じ。 意外と大きいなという印象だったが、薄いこともありポケットに簡単に入り、小さめのポケットにも収まるため収納場所に困らない。 タッチ式だが、本体にボリュームと再生コントロールのボタンがついている。 古典的で数の多いボタンはかなり敏感で、ポケットなどでは誤操作が発生しやすいが、ホールドスイッチがあり、ホールド時は電源以外のボタンとタッチの両方を無効にすることができるため問題はない。

ボタンは音量upと再生/停止にポッチがついている。また、HOLDスイッチのスライド方向も凸形状になっている。 このため、「上下を把握していて、かつ素手である」という条件がつくが、手探りでも操作可能。

こうした点やサウンドチューニング、イコライザなどを見ると、ちゃんとテストして製品が使いやすくなるように練り上げてきている印象が強く、好印象だ。 今は単に機能要求を満たしただけの実装というものが多くて「本当に実際に使って試した?」と聞きたくなるような製品が多いが、このWALKMANは「今も変わらず真面目に作ってます」という感じ。

タッチ操作性に対してネガティブなレビューがあるが、別にそんなに気にならない。普通に使える。 L-05Eと同じくらいの感じだから、5年前のスマホくらいの感覚じゃないだろうか。 少なくともCOWON M2(感圧式タッチパネルで操作性がめちゃくちゃ悪い)と比べたら天国だ。

ただし、局所的に反応が悪いところはある。曲送りに関してはシークタイムもあるのでそんなもんだと思うのだが、再生/一時停止操作のレスポンスがかなり悪い。また、電源ボタンのレスポンスもやや悪い。

ボリュームコントロールは120段階。かなり細かくて私は好感を持ったが、逆に言えば素早いボリューム調整が難しい。スクリーン上部をタッチするとボリュームコントロールUIが出るので、一気に変える場合はこちらを使う。 なお、まあまあ強力なアンプをつけており、ハイインピーダンスなヘッドフォンや50mmドライバのヘッドフォンも普通に鳴らせる。5

UIはかなり細かいボタンがあり、直感的に(説明なしに)理解できるかというと微妙なところ。 スワイプができる箇所も非常にわかりづらい。

なお、楽曲再生中に下からスワイプするとイコライザに移行、右上にClear Audio+のスイッチがあるほか、左右スワイプで他の音声効果のスイッチも可能。知っていれば非常に良い操作性だと思うのだが、発見しないとわからない。 さらにいえば、楽曲再生画面は上下左右にスワイプ可能であり、そもそもボタンに関係なく楽曲再生画面を中心とした5スクリーンで構成されている。だが、これは非常に気づきにくい。楽曲画面でツールボックスアイコンから「操作説明」を選択すれば出るのだけど……(ちなみに、最初の一回も出る)

説明書に全操作が載ってないのも厳しいところだし、説明書にスクリーンごとにまとめた説明がないのも問題。 説明書やヘルプをしっかり読むタイプの人なら大丈夫だし、操作方法を覚えれば非常に使いやすいが、このあたりの考え方はやや古い方向性。(悪いという意味ではない)

スクロールはスクロールを開始することでスクロールバーが出るタイプで、スクロールバーをホールドしての操作が可能。 この場合、スクロール位置のイニシャルが出る仕様で非常に使いやすい。

その他

ヘッドフォン

ヘッドフォン設定はSonyの専用品だけプロファイルが用意され、他は「その他のヘッドフォン」としてまとめられている。 ZenfoneのDTSのようなヘッドフォンに合わせたチューニングができるわけではない。

ヘッドフォン接続は下側。個人的には上側の方が好みだし、接続ポートとは逆にしてほしいとは思う。

箱は非常にやわく、普通に開けるだけでボロボロになる。

ジャックキャップ

USBで接続する口は塞ぐためのキャップが付属し、通常塞いでおくように指示されている。

キャップは予備を含めて2個付属。

ノーマライザー

ラウドネスベースのノーマライザーを搭載している。

スクリーン

非常に指紋がつきやすい。これは難点。

歌詞機能

対応している。オンラインで拾ってくるわけではないので、予めメタデータに埋め込む必要がある。

Bluetooth

AptX, LDACに対応しており、Bluetoothヘッドセットに対する調整は割と豊富なのでBluetoothヘッドセットの利用は向いている。 さすがにスマホほどBluetooth前提ということはないけれど、Bluetooth派の人にも安心。

総評

とりあえずファースト・インプレッションの範囲では不満は特になさそうだ。 まぁ、強いていうなら

  • コネクタは普通のにしてほしかった
  • 画面にめっちゃ指紋がつく
  • ステートレスに楽曲再生画面から元のチョイス位置に戻してほしかった(同一アーティストの別のアルバムの曲が聞きたいときとかに面倒)
  • 自動プレイリスト機能はかなり便利なので本体内で処理してほしかった
  • サウンド的にAxon7のチューニングの方が好み
  • 4極TSSRにして手元コントロールができるようにしてほしかった

ってところだろうか。

長く付き合っていけそうな、かなり満足なプレイヤーだ。 ここまで、iFP899が6年、MP860が2年、M2が2年、というライフできているから、最低でも2年、できれば4-5年使えるものであってほしい。そして、そうできない要素が見当たらない。(壊れない限りは)

オーディオプレイヤーは微妙な方向に行っていて、妙にバッテリーライフが短かったり、操作感が悪かったりするものが増えている。 だが、スマホに関してはまともな楽曲分類ができるアプリすらほとんどないくらいなので、オーディオプレイヤーへの要望は結局減っていないように思われる。 一時は音楽に力を入れたスマホも出てきていたが、現在は音声はビデオ再生に向いていることもなおさら、「オーディオプレイヤー」を求める動機になっている。

ぜひ各メーカーには「オーディオプレイヤーとしての使いやすさ」を追求した製品を作っていって欲しいと思うし、「これは」と思うものが出るまでは私はこのWalkmanを愛用していくことになるだろう。