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iosysに大量に出回った arrows NX F-02H がお買い得!!

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会社のほうでGoogleの2FAが必須となったのだが、私の手持ち端末は埋まっている、というか様々な観点から会社のアカウントとリンクさせることができないので、新規に端末を購入することとした。

回線が必要なのかと思ったのだが、Google Authenticatorアプリケーションを使うだけであるため、端末だけあればよかった。

しかし、先日Find X2 Proなんていう高級端末を購入したばかりであるし、いい端末を購入する気にはなれない(そもそも、いい端末が欲しいというモチベーションがない)ので、気になっていたiosysに大量放出されたF-02Hを購入した。

F-02H

基本的なポイント

シリーズ名、そしてロゴがArrowからarrowに変更された第一弾であり、ドコモ専売端末。発売は2015年末。

Arrowsの名が「最強」の代名詞であった頃の製品であり、プロセッサはSD808、RAMは3GBを搭載するハイエンドモデルである。

画面サイズは5.4inchで、ガラス面上下に帯があるタイプのもの(ガラス全面がディスプレイではない)。 ディスプレイはWQHD IPSで、サイズは154x75x7.9mm、重量は167g。当時としては大きめ、重めだ。

初期OSはAndroid5.1.1。

SIMはnanoSIMで、Premium 4G/Xi/FOMA/GSM対応。音声通信はVoLTEに対応する。 無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n/acと5GHz帯もサポートする。

カメラは21.5MpxのExmorがメイン、インカメラは当時らしく控えめで2.4Mpx。 アウトカメラには手ブレ補正があり、2160p動画が撮れる。

端子はmicroUSB, 3.5mm 4極。Bluetoothバージョンは4.1。 ワンセグ・フルセグ・モバキャスの放送受信機能を持ち、microSDXCカードに対応。本体ストレージは32GB。 非接触通信としてFeliCa, NFC, Transfarjet, 赤外線に対応。

認証機能は虹彩認証を持つ。

日本語入力は富士通オリジナルのSuper ATOK ULTIASを搭載。語彙力がなさすぎるATOKよりはマシなATOKだ。

フレームはアルミ削り出しにハードアルマイト加工をしたもので、背面はグラスファイバーにクリアコートがされたもの。フレームが画面よりも前にあるタイプで、ディスプレイはゴリラガラス3となる。

MIL規格14項目準拠というarrowsおなじみの公称となっており、耐水、耐衝撃などを備えるタフネスモデル。

バッテリーは3390mAhと当時としてはかなり大きめ。

これが取り扱われる理由

2020年7月にiosysがアイリスグリーンのモデルを大量に入荷し、A品7980円、B品6980円、C品4980円で販売した。

その他の性能・機能

以下は細かな点だ。

オーディオ系はハイレゾに対応し、Dolbyを採用する。 今は減ってしまった3.5mm端子を持っているのでオーディオ機としても使いやすい。 動画をなめらか表示する機能もある。

アプリケーションロック機能がある。これは結構ポイント高い。

カメラは当時としては良い方。セルフィーで「盛る」機能がないあたり、時代を感じる。

マイクは2機搭載。通話用ノイキャンと音質調整あり。 手持ちの間、目が向いている間はスリープを抑止する機能がある。

表示をウィンドウ化して寄せる機能がある。これはスマートフォンが大型化を進み始めた段階で特に女性が辛くなってきたために載せられた機能といってよく、あまり好まれないため最近は見ることも少ない。

ホーム画面はドコモのものが2種類とarrows NX用のものが1種類から選べる。

現代での適用

概要としての理解

6コアのSnapdragon808は当時のハイエンドであり、性能のために発熱が激しく問題になったこともあるプロセッサだ。しかし、Antutuのスコアは43000程度。Snapdragon450を搭載するエントリーモデルであるOPPO AX7(だいたい2万円くらいで買える)が73000程度であることを考えると、ハイエンドモデルといっても4年半という年月のほうがずっと大きい、という感じである。

今ベンチマークにするならOPPO Reno Aだろう。 素晴らしい使い勝手と高い性能を兼ね備える上に、3万円程度で買える。 Snapdragon710を搭載し、Antutuスコアは20万近い。 (ちなみに、Find X2 Proは60万を越える)

だが、そもそも思い出して欲しい。当時、つまり2015年だの2016年だのは、どんなに高性能な端末でも動作はもっさりしていたはずだ。当時端末としてはサクサク動作するもので、実際にもっさり感をあまり感じない。 これは素晴らしい。 今の時代の端末に慣れた人が昔の端末を使うともっさりしすぎて耐え難かったりするのだが、そこまで気になることはないだろう。

ただ、再度強調しておくが、「古い端末としては快適に動くほう」という話であって、もっさりしないという意味ではない。 基本的に裏で何かやっている状態だともっさり。何か操作したら待たなければならないあたり時代を感じる。

中古で古い端末を使う場合気になるのが主に以下の点だ

  • SIMの形状
  • 4Gへの対応
  • VoLTEへの対応
  • Wi-Fiのサポート
  • OSのバージョン
  • カメラ性能
  • 生体認証
  • 充電速度

順に見ていこう。

SIMはnanoSIMであり、今の同形状だ。予備端末としても普通に機能する。

LTE/4G通信に対応し、VoLTEもサポートするため、最新の5Gはサポートしないにしても通信部分で不満はないはずだ。 Wi-Fiも、802.11axはサポートしないが、現状でも802.11axサポート端末は少ない(それ以上にルーターが少ない)ことからほぼ問題ないと考えられる。

Android 4系はもはや動作するアプリがだいぶ少なくなっている。Android 5もそろそろ苦しい。 このために旧端末は実用性に乏しいことがあるのだが、 F-02HはAndroid7まで上がる のでこの心配もない。

カメラ性能は現代水準からすると劣る。そもそもマルチカメラが来るよりもちょっと前の時代だし、インカメラはおまけ程度のカメラだった時代だ。 それでも4k動画をサポートしているし、メイン端末でなければカメラ性能はそれほど気にならないだろう。

生体認証は虹彩認証を持っている。今一般的な認証方法よりもむしろ優れている。

充電速度は特別な高速充電機能は持っておらず、2Aあたりが限界となる。

これら総合的に見ると、もちろんサイズ、画面サイズ、帯があることなど時代を感じる部分は色々あるのだが、「古い端末なので使えない」という部分がなく、現代でも普通に通用する端末だと思う。 もちろん、メイン端末としては今の端末のほうが性能はずっといい、ということは言えるのだが、今も使い続けている人がいても全然おかしくない。

この時代のドコモ専売端末はとっても丈夫で、特にarrowsはタフなので、(自己責任ではあるし、公式には付着したら直ちに洗い流すように書かれているが)遠慮なくハンドソープでがしがし洗えるというのは大きい。今はエタノールとかは入手しづらいし、薬品侵食とかも考えるとスマートフォンを衛生的に保つのは難しい。そして、室内で普段触っているのなら、ひどく汚染された手で室内のいろんなものを触っていることになり、スマートフォンは特に衛生的に保ちたいもののひとつだが、ハンドソープで洗えると話はとても楽になる。

それに私は気にしないがFelica(おサイフケータイやモバイルSuicaに対応)やテレビチューナーがあることを歓迎する人もいるだろう。 利便性が高いと感じる人もいるだろうし、それ故に不満ないと感じる人もいるはずだ。

感覚的なコメント

少なくとも、P-02Eみたいに「これはさすがに使えない」とは感じない。 私はP-02Eをサンドボックス環境にしているのだが、相当厳しい。ちょっと操作するだけでも細かな待ちが発生するので、何分もかかり、トータルでは同じことをするのに今のメイン機になっているようなものと比べると10倍以上の時間が経過してしまう。 F-02Hもそれに近い感覚はあるものの、我慢できる範疇ではある。

※ 1.5世代前ミドルハイレンジの端末から最新最強の端末に変えて「だいぶ快適になった」と言っている人から見た感覚である

日頃触ってる時間が短いサブ端末、例えばクーポン用とか、メディアプレイヤーとか、仕事用とか、あるいは別アカウント用(LINEとかTelegramとかDiscordとかSlackとかの)として使うには許容範囲にあると思えるし、何よりこういう「ちゃんと使える」端末が安いというのはかなり珍しいので、久しぶりのお買い得端末だと感じている(前だとL-05Eがお値打ちだった)。

nanoSIMなので、メイン端末の故障時に代替機(アカウント引き継ぎ退避用)としても良さそう。

このあたりの意味ではAndroid7が動く、というのがかなり大きい。おかげでだいたいのアプリが動く。

iosysには数百台入ったみたいで、私が買ったときにもまだ200台以上あったから、古い端末の話ながら少しの間有効な話になると思って残すことにした。