Linux上でのハードウェアの利用
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序
本記事はYouTubeの動画において、説明が不足していたため、より網羅的に記載したものである。
ハードウェア
キーボード
ほとんどのキーボードは問題なく動作する。
ただし、キー数の少ない、あるいは多い特殊なキーボードについては動作しないことがある。 例えば、Buffaloのテンキーは動作しない。
ポインティングデバイス
マウス、トラックボール、トラックポイント、タッチパッドなどのポインティングデバイスは基本的に問題なく動作する。
特殊な機能をもつタッチパッドは機能が制限される場合がある。 タッチパッドを使用する場合、推奨されるlibinputよりもsynapticsのほうが機能は多い。
多ボタンマウスはボタンが動作しない場合がある。これはマッピングが不足しているのではなく、ファンクションボタンが他のボタンと同じものを入力するためである。 通常、9つのボタン(左・右・中央・ホイール上・ホイール下・ホイール左・ホイール右・戻る・進む)は問題なく動作する。
高度なHIDコントロール
キーボードやポインティングデバイスをソフトウェアによって制御できるゲーミングモデルなどについては、Linuxで設定できる場合もあるが、限定的である。 ハードウェアに記録されるものであれば、Windowsにおいて設定・保存しておけば使える場合もある。 一方、ソフトウェアによって都度制御するものは限定的にしか動作しない。
RazerデバイスはOpenRazerによって制御が可能である。 しかし、イルミネーションの設定を含め、機能は非常に限定的で、また安定しない。 さらに、日本語配列のキーボードはデバイスIDが異なるためOpenRazerに対応しない。
本体イルミネーション
本体イルミネーションはマザーボードの種別にもよるが、限定的に対応可能である。 また、本体に設定が保持される場合、Windowsで設定したものがLinux上でも適用される場合がある。
別途コントローラを必要とするイルミネーションは限定的に制御できる場合もある。 例えばNZXT製品ならKrakenを用いることで(対応しているものなら)制御できる。
ペンタブレット/液晶タブレット
一般的な傾向としては動作する。
特にXP-PenとWacom製品についてはLinuxドライバが用意されている。
プリンタ
Windowsでは動作しなくなった古いもの、複合機、業務用印刷機などを含めほとんどのプリンタがLinux上で動作する。
また、ネットワークプリンタも問題なく動作する。
ただし、フチ無し印刷など高度な制御はできない場合が多い。 カラー印刷のクオリティも、プリンタまかせにした場合あまり高くない。
スキャナ
スキャナはTWAINに対応したものであれば動作する。
ただし、制御ソフトウェアに汎用のものを使うことから、クオリティはWindowsに劣る。 特にドキュメントスキャナにおいて、連続スキャンや自動修正など便利な機能が使えない。
ウェブカメラ
ほとんどのウェブカメラは問題なく動作する。 ただし、アプリケーション側の制御がWindowsと異なることに不満を覚えるケースはあるかもしれない。
専用のドライバを必要とする特殊なウェブカメラは動作しない可能性がある。 ウェブカメラについては汎用のドライバだけでなく、多数の専用のドライバを備えているため、ドライバインストールを必要とするものに関しても動作する可能性がある。
ネットワークカメラ
ネットワークカメラ自体の動作はLinuxシステムに絡まないため、無関係に正しく動作する。
ただし、制御がウェブコンソールなどではなく専用アプリで行うようなものであれば、それは動作しないかもしれない。
ビデオキャプチャボード
ビデオキャプチャーボードもウェブカメラと同じV4L2によって動作する。 多くのものについては問題なく動作する。
オーディオデバイス
USBオーディオデバイスについては、USB Audio Classドライバによって動作するものは原則として問題なく動作する。
クラスドライバで動作するものは本質的にドライバインストールが不要であり、Windows, Mac, iOS, Androidなどにおいて特にドライバインストールなしに動作するものであれば利用可能である。 Windowsではドライバインストールを要求するが、実際にはクラスドライバで動作するものも多い。
それ以外についてはALSA、またはFFADO(FireWire接続のもの)を確認すると良い。
ただし、問題がないわけではない。 例えば、多チャンネル入出力を持つデバイスが、複数のsource/sinkではなく多チャンネルのひとつのsource/sinkであるとみなされることがある。
また、M-Track Duoでは1sourceまたは1sinkのプロファイルに見え、source/sinkの両方を備えるプロファイルがないために音声の出力とマイク入力が同時にできないという問題があった(現在は修正されている)。
Roland V-Drums
V-Drumsはオーディオデバイスとして、あるいはMIDIデバイスとして利用することができる。
ただし、オーディオデバイスとしてはひとつのsource/sinkであるように見える。 TD-50Xの場合は32チャンネルのsourceと32チャンネルのsinkに見える。
ネットワークデバイス
USBかPCIか、WiFiかEthernetかによらず、うまく動作する場合としない場合がある。 また、ドライバがあっても安定性が低いものもある。
この問題は製品が搭載しているチップを知らなければ選択できないため厄介である。 ただし、問題は解消される方向にある。
マザーボードに搭載されるネットワークデバイスはたいてい問題なく動作するが、B550が出たばかりの頃の2.5GbEなど新しすぎるものは動作しないこともある。
USBディスプレイアダプタ (外部ビデオカード)
たいていの場合問題なく動作する。
USBディスプレイアダプタ (USB Alternative)
USB AlternativeやThunderboltを使うものは問題なく動作する。
ストレージ
SATA, SAS, PCIeストレージは問題なく動作する。
USBストレージはUSBマスストレージクラスドライバで動作するものはおよそ問題なく動作するが、組み込みデバイスは動作が不安定なこともある(例えばUSBマスストレージクラスで接続可能なオーディオプレイヤーなどのことである)。 メディアカードリーダーや光学式ドライブも同様である。
スマートフォン
iOSデバイスはlibimobiledeviceによってサポートされる。
AndroidデバイスはMTPによるファイル転送や、adbによる接続も可能。
ただし、〜Android 8のデバイスについては大量のファイルの転送時にストールしてしまうことがある。 最近のAndroidデバイスは問題ない。
ゲームパッド
XInput、あるいはDirectInputに対応したゲームパッドは基本的に動作するが、うまく動作しないこともある。 Windowsで安定性を欠いているデバイスでもうまく動作することがある。
XInputで認識されるがうまく動作しないこともあるが、xboxdrv(ユーザーランドのXBoxゲームパッドドライバ)によってうまく動作することもある。Manjaro
Linuxではxbox-generic-controller
パッケージをインストールすると解決することがあるが、xpad
ドライバをmodprobe
で明示的にインストールする必要があるようになる。
具体的にはIFYOO V-oneはこのパッケージのインストールによって動作するようになった。
一方、8bitdo SN30 Proは以前は問題なく動作したが、現在はうまく動作しなくなっている。
特殊なものとして、変換アダプタを介してPlayStation2のコントローラを使うこともできた。
USBハブ
問題なく動作する。
USBリモコン
PCが受信側になるものも、PCが送信側になるものも話題になっているものは動作しているようだが、 確実に動作するのかどうかはわからない。
原理は簡単なものなので、Cによるプログラミングを厭わないなら確実に動作すると思っていいだろう。
ICカードリーダー
ものによるが、動作するものが多い。
ただし、e-Taxは書類作成まではLinuxでも可能だが、ICカードリーダーを使う申告まではできないため、注意が必要。 (ID・パスワード方式を使う場合は可能だが、この項目を読んでいる時点で関係ないだろう)
指紋認証
ほとんどの場合動作しない。
動作するものであっても、Linux上での使い心地はかなり悪い。
電気だけを必要とするUSBデバイス
LEDライトやカップウォーマー、USB扇風機などは給電さえできれば良いため、Linuxシステムに関係なく動作できる。