Mozcdict-Ext進捗: 除外機能とAURのアップデート
開発::application
序
実はMozcdict-ExtはOSDNの騒動に巻き込まれていた。
いや、Mozcdict-Ext自体はそうでもないのだが、AURパッケージのほうが影響を受けていたのだ。
AURのfcitx5-mozc-ext-neologdは前提として公式パッケージのfcitx5-mozc
のforkである。
ここに2つの問題があった。
まず、このパッケージは一部のソースファイルをoriginではなくパッケージメンテナのフォークで持っている。 これが適切な処置なのか、そもそも必要なのかも怪しいのだが、可能な限りupstreamを踏襲するため、extもこの仕様を維持している。 このソースがOSDNにあった。
加えて、fcitx5-mozc
は全然メンテナンスされていないパッケージで、随分古いバージョンのまま止まっている。
OSDNが使えなくなったことで、公式のfcitx5-mozc
パッケージはビルドできない状態になったが、公式パッケージはバイナリ配布されているため問題にならない。
しかし、fcitx5-mozc-ext-neologd
のほうはソースパッケージなのでビルドできなくなってしまった。
そしてOSDNを取り巻く状況が流動的であったため、しばらく静観しているしかなかったのだ。
除外機能の拡張
前回の更新でワード除外機能を追加したが、今回は含める含めないのオプションを追加した。 これは、次のように機能する。
オプション | 作用 |
---|---|
--english |
英語からなるワードを候補に含める |
--english-proper |
英語からなるワードを固有名詞のみ候補に含める |
--fullwidth-english |
全角英語や半角カナのワードを候補に含める |
--fullwidth-english-proper |
全角英語や半角カナのワードを固有名詞のみ候補に含める |
--no-proper |
固有名詞を候補に含めない |
つまり、デフォルトは以下のようになった。
ワードタイプ | 変換候補に |
---|---|
英語 | しない |
全角英数 | しない |
半角カナ | しない |
固有名詞 | する |
これは、「ゃ」問題と関係しているが、個人的には英語への変換って全く使わないし、全角英数の固有名詞への変換もしないため、これらを好みで設定できるようにした。
これらはコマンドラインオプションで指定可能だが、それ以外に~/.config/mozcdict-ext/config.yaml
で指定できるようになった。
これでAURからインストールするような場合も自分の好みの設定を反映できる。
AURの更新
この除外機能を追加した最新バージョンまでMozcdict-extを追従、それ以外についても最新にアップデートした。
割と紆余曲折あった現行バージョンだが、さらに問題が残っている。
Mozcはgypによるビルドを廃止しているのだが、fcitx5-mozc
はgypを含めているのだ。
gypを使っていなさそうにも見えるが、このあたりは試してみないとなんとも言えない。
正直Mozcのビルドプロセスは全く理解していないので、いずれ時間をとって理解しておかなければならないと思ってはいるのだが。