Aukey DS-E5 PCI Express x4 USB 3.1 Type-Cインターフェイス
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Aukeyレビュー。
Aukeyにはこれまで結構な回数、色々なアイテムをご提供頂いてテストしてきたのだが、PC部品というのははじめてだ。
基本的にはモバイルバッテリーやUSBチャージャーなど、モバイルに根ざした会社というイメージがあるのだが、Aukey躍進の証、といったところだろうか。
DS-E5はPCI Express x4(x8/x16)接続のUSB3.1 Type-Cインターフェイスだ。
USB-C、まだ今のところほとんど見かけない。 速度が必要なデバイスはUSB3.0になっているが、まだUI部品などはUSB2.0のままであることを考えると、USB-Cに完全移行というのはちょっと考えにくい気がする。 USB1.1の場合は簡単なインターフェイス機器でも不十分な規格だったためにUSB2.0への移行はスムーズだった。だが、USB2.0は多くの場合十分であり、ストレージを除けばUSB3.0への移行はあまり進まなかった。 USB-Cの普及は、互換性に乏しいためにより困難だと思われる。
ただし、非互換がむしろ普及を助ける可能性もある。 USB 3.0の場合はほとんど速度的な欲求であり、機器側としては特に速度が必要でなければUSB 2.0を採用すれば価格も抑えられ、困ることもなかった。 だが、非互換となると、インターフェイスの少ない最近のラップトップはUSB-Cを採用してくる可能性がある。インターフェイスをまとめる力が最もあるのがUSB-Cだからだ。
当然に、充電のことを考えればスマホが尤も積極的にUSB-Cを採用してくるだろう。 パラレルポートをUSBがおきかえたように、「スタンダードな規格」が変更されることで一気に普及する可能性がある。
心配なのはリベルタッチのような「化石」が生き残れるのかということだが。 USB-C普及に伴って消えるアイテムは多そうだ。
そんなUSB-Cだが、現在では非常にエッジだ。USB3.0デバイスですら私の手元にあまりない状態なので、まだUSB-Cネイティブなデバイスはない。 Nexus5Xを購入していたらUSB-Cになっていたが。 現時点で一般の人がPCにUSB-Cを増設してでも求める機運にはないだろう。
USB-C、どっち向きでも挿せることがメリットらしいのだが、実際のところかなり良くなった。 最初からこうだったらよかったのにという気持ちは強い。 しかし、当面は大量の変換アダプタに埋もれる日々を過ごす必要があるだろう。USB-Aオスではなく、USB-Aメスのアダプタが必要だ。
だが、あって損はない。 今回私が取り付けたのは、USBポートの数が14もあり、うち6つがUSB3.0を備える最新のFM2+Killer(Godavari)ではなく、USB 3.0すらなく、USBポートも8と少ないZ400のほうだ。
性能的にわずかに優れること、AMDよりもnVidiaドライバーのほうが優れていることからZ400のほうがメインマシンとなっているが、USB3.0がないことによる影響は若干ある。 USB3.0フラッシュメモリに対する読み書きが低速というのもあるが、「USB GbEアダプタが完全な速度で動作しない」のだ。 また、多ディスクタイプのUSB HDDケースを使用する場合も、インターフェイスがUSB 2.0だとボトルネックになる可能性がある。既にクラスタストレージを組んでいて、サーバーで部屋のブレーカーを落とした私としては、ストレージ増強はケースを使うほうが確実だ。
USB 3.0ポートを増設しても構わないのだが、今ならUSB-Cだろう。変換アダプタは必要になるが、今後の変化にも対応しやすい。
DS-E5はASmedia ASM1142チップを搭載したPCI Express x4接続のUSB-Cボードだ。 ASM1142というと、ASUS Z97-PROも搭載している信頼のチップで、類似品としては玄人志向のUSB3.1A-P2-PCIE2がある。 USB3.1A-P2-PCIE2は直販では3800円とDS-E5と似たような値段だが、実売だと2600円くらいからで、4000円ほどするDS-E5とはちょっと差がある。
のだが、ここは玄人志向だし、保証が12ヶ月。Aukeyは18ヶ月。この差は大きい。 あと、USB3.1A-P2-PCIE2はUSB 3.1Aなので、Type-Cコネクタを採用するDS-E5とはちょっと趣が違う。
Amazonのレビューでは端子に差さなくていいと言ったのだが、多分ハイパワー充電したい場合は電源を挿してやる必要がある。 Z400では取り回しが結構きつかったのと、特に充電に使う予定はなかったため電源はささなかったが、それでもちゃんと動作した。
Linuxでの動作を保証するデバイスなんていうのは非常に珍しい。実際、ちゃんと動作する。
$ lspci -v
...
1c:00.0 USB controller: ASMedia Technology Inc. ASM1142 USB 3.1 Host Controller (prog-if 30 [XHCI])
Subsystem: ASMedia Technology Inc. ASM1142 USB 3.1 Host Controller
Physical Slot: 3
Flags: bus master, fast devsel, latency 0
Memory at f4000000 (64-bit, non-prefetchable) [size=32K]
Capabilities: <access denied>
Kernel driver in use: xhci_hcd
Kernel modules: xhci_pci
PCI Express x4に挿したらOKの簡単設計。ドライバも大抵のカーネルでは組み込みになっているのではないか。 Linuxフレンドリーな製品は大好きだ。
まだ選択肢は多くないUSB-Cインターフェイス。 PCパーツ屋というのは、日本で買えるというのは結構限られていて、代理店なんて数えるほどしかない。 もっと色々おもしろいパーツが出てきてもいいのにと思うし、そこにAukeyという選択肢が出てくるのは非常におもしろいと思う。Aukeyの場合直販だから、「どこから買うか」という意味でも新しい選択肢になる。
これを必要とする人は少ないだろう。だが、PCパーツにAukeyという選択肢、なかなか魅力的だ。