Chienomi

Mandriva Linuxは終わっていた

Mandriva Linuxというのをご存知だろうか。

Mandriva LinuxはかつてはMandrake Linuxという名前だった。 最初のリリースが1998年と古く、かなり人気もあった。

日本ではかなりマイナーだった印象がある。知っている人は少なかった。 Windowsユーザー向けに、学習しなくても使えるユーザーフレンドリーなOSとしてPRしていた。

同じようにユーザーフレンドリーで、KDEを採用しているSuSE Linuxと、このMandrake Linuxがヨーロッパにおける2大ディストリビューションであると認識していた。RedHat LinuxやDebianがヨーロッパでいまいちふるわなかったあたり(それでもこれらディストリビューションよりは上だったかもしれない)、ヨーロピアンはアメリカがお嫌いなのかなと思ったりもする。

インストーラなどこの2つのLinuxは共通点も多い。SuSEはドイツ、Mandrakeはフランスのディストリビューションだった。 企業の開発で、有償版を先行リリース、後から無償版をリリースするモデルも共通していた。 SuSEと違いMandrakeは日本語のリリースがなかったため、入手はなかなか苦労した。

SuSEは結局デスクトップディストリビューションをコミュニティ主導としてopenSUSEとした。Mandrivaはこれに遅れた印象があるが、実はopenSUSEの前にRedHatがデスクトップディストリビューションをFedora Communityに委ねることにしているし、Mandrivaもこれに続いて2012年、いままで遅れてリリースしてきたフリー版をOpenMandriva Lxというディストリビューションにフォークして、OpenMandriva Associationに移管し、Mandrivaは有償版に専念、という形をとっている。

そんなかつての人気ディストリビューションだけれども、終わってしまったらしい。

Mandriva社は2015年5月に倒産、これに伴ってMandriva Linuxは終了。さらにOpenMandriva Lxに関しても活発とはとても言えない。というか存在自体ほとんど知られていない。リリーススケジュールも守れずにいる。ちなみに、2014.2というバージョンが2015年6月に出たらしい。もうわけがわからないよ。

ちなみに、OpenMandriva、実はMandrivaベースではなく、Mandrivaからフォークしたロシアのディストリビューション、ROSAベースらしいなかなかびっくりな話だ。もうわけがわからないよ。 さらに、OpenMandrivaは次でLXQtベースに以降するもよう。Libreofficeも切るようなので、軽量ディストリビューションとしての生き残りを模索しているのか。Mageiaに対する敗北宣言か。

Mandrivaは昔から内紛が絶えず、2003年には主要人物だったTexstarがMandrakelinuxから派生したPCLinuxOSをリリースしているし、2010年にはMandrivaから分裂する形でMandrivaフォークのMageiaが誕生している。 PCLinuxOSはMandrakeのエッセンスをもちつつ、かなり多くの部分で異なる独立性の強いディストリビューションだが、Mageiaはフォークという印象が強いもの。

結局はMageiaがMandrivaを屠ったのだと思う。 Mandrivaを好むユーザーにとって、Mandrivaをフリーで手に入れられるのがMageiaだと認識できるレベルだったからだ。

MageiaはMageiaで、Mageia 5のリリースは遅れに遅れたものの、常にTOP 10圏内にはいるので、かなりの人気ディストリビューションと言っていいと思う。

もう、Linux Mintが不動の1位を築きつつあるが、Ubuntuが「初心者向け」としての地位を築いたのが大きかったろう。結局、よりフレンドリーなLinux Mintに流れたわけだし、Mandrivaの立場がなくなったのだろう。openSUSEのように明確な優位性や完成度があったわけではなく、かつNovellのようにエンタープライズエディションを持っていたわけでもない。

最近はかなりディストリビューションの淘汰が進んでいる印象がある。日本では紹介されないが、LXLEという軽量ディストリビューションが来てるようだ。もっとも日本にはLinuxBeanがあるので、彼ががんばっている間は盛り上がらない気がする。

そんな中で、有償で不自由で、似たようなもっと自由なものが存在し、初心者向けならもっとほかを選ぶという状況では、淘汰されるのは必然だったのかもしれない。

Mandrake/Mandrivaというと、割とシンプルな作り(低機能ともいうが、Network Managerなど扱いにくかった頃のものは重宝した)と、KDEの機能の活用、美しいQtテーマが印象に残っている。 また、sudoers

%wheek	ALL(ALL)=ALL	:NOPASSWD

とか書いてあったのも印象深い。

なんとも寂しい気持ちだ。おしゃれで、昔は憧れの存在だっただけに。