Sharhiveって何か
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序
Sharchiveの話をしたら、「それなに」という方がいたので、「あぁ、そうか。思いっきり昔話だもんなぁ」というわけでちょっとSharchiveの話をしよう。
概要
Sharchive (Shell
Archive)はアーカイブファイルフォーマットである。filename
suffixは.shar
で、コマンド名もshar
。
アーカイブが7bit ASCIIで書かれたshスクリプトになることが特長。展開時はシェルスクリプトとして実行することで展開できる。
「危険ではないのか」という意見に関して答えると、非常に危険である。 純粋なシェルスクリプトであるため、Windowsの自己解凍形式なんかよりはるかに危険である。
背景
Sharは1995年頃まで使われていた。 tarがアーカイブファイルとしてはまだ一般的でない頃に使われていたのだが、アーカイブファイルフォーマットとして主流だったことはない。間違いなくやや特殊なアーカイブだった。
Unixプラットフォーム上ではshがあることは期待できたので、そうした互換性問題を回避するという面はあった。 だが、Sharが使われていた頃であってもtarがないということはそれほどなかった。
Sharが使われた最大の理由はネットニューズである。
ネットニューズを知らない人は多いだろうが、だいたいやりとりの感覚としてはメーリングリストに近い。 そして、当時はMIMEが制定される前で添付ファイルというものはなかった。つまり、データはメール内に書くしかなかった。 なおかつ、まだ8bit目がチェックディジットに使われている時であり、7bit ASCIIでしかメールが書けなかった。
もちろん、この頃でもtarでアーカイブを作り、uuencodeする、という選択肢はあった(Base64という選択肢はまだなかった)。 だが、これだとネットニューズで見ただけでは、それがどのようなソフトウェアなのかということを推定することができない。 Sharchiveであれば、特にスクリプトファイルやソースコードの場合、ネットニューズ上で確認するだけで内容を把握することができる。 メールと違い、uuencodeされたソースを展開するには取り込んでから保存してソースを取り出すという手間があるし、今と違ってX window system前提というわけでもなかったのでコピペが簡単にできたわけでもない。
こうしたことから使われていたのだが、バイナリサイズが大きくなってくると目視は困難だし、効率も悪く、なにより目視確認できないSharchiveは危険極まりない。 これによって、MIME制定以降Sharchiveは使われなくなっていき、やがて全く使われなくなった。
現在
Manjaroの場合sharutils
というパッケージがextraに存在する。
FreeBSD/DragonflyBSDのtarはlibarchiveを使っており、Sharに対応している。--format
オプションやa
オプションで作成可能。
もちろん、展開はshでできる。そのため、展開そのものは今も苦労なくできる。
もはや使っている人はいないレベルだと思うのだが、Mimir YokohamaやInflatonでは使う場合がある。 その理由は、コマンドラインツールの利便性や説明の統一を狙って、Git for Windowsをインストールし、Git Bashを使う、という手順で説明することがあるからだ。
サーバー側はLinuxだし、zipでは返しづらい部分もある。こうした理由から手順が統一できるsharを使う…ということをしていたのだが、 現在は「Git for Windowsにtarが入っている」ことに気づいたのでこれも廃止した。