TD-4KPでDTXManiaはじめました (初心者向け記事)
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DrumManiaとは
ドラムマニアはKONAMIが運営するリズムアーケードゲームである。
1999年に先に登場したGuiterFreaksとファミリーシリーズになっていて、セッションプレイも可能。 GuiterFreaksはターンテーブル風コントローラを持つリズムゲームのBEMANIシリーズの第4弾として登場した。
これまでのゲームがあくまで「ゲーム化されたもの」だったのに対し、DrumManiaはエレクトリックドラムのDTXシリーズを展開するヤマハがパッドを提供し、多少簡易化されたエレクトリックドラムの形状をしている。
2010年に登場したDrumMania XGシリーズからはクラッシュシンバル(従来はライドと共通だった)とフロアタム、レフトペダルが追加され一般的なドラムキットと同じ構成になった。 (ただし、レフトバスペダルとハイハットペダルは共通の扱いで、ハイハットの開閉状態は認識しない)
20年続く人気シリーズで、ドラム的にプレイすることもできる一方、ゲーマーがタイミングゲームとしてハイスコアを追求することもある。 ハイハットが非常に低くセットされていてクロスすると左手のスペースが狭いため、オープンハンドで叩くプレイヤーも多い。
DTXManiaとは
BEMANIシリーズは人気が高かったので、それを家庭でもしたいという要望は強かった。 家庭用ゲームとしても販売されていたが、PCでプレイしたいという要望、また家庭用ゲーム版が発売されなかったり、安定しなかったりしたこともあって類似ゲームが色々と作られた(BandJAM, BM98!!, DrumMIDI, DrumingTrainer, Perfect Beat, SessionStream, ドラムもんなど)。
DTXManiaは2000年に登場した、そのようなもののひとつ。
このようなものはドラムトレーニング用のアプリケーションでも存在する(例えばMelodicsとか)。 DTXManiaはドラムトレーニングアプリであり、またDrumManiaクローンでもある。
現在もPCゲームとして遊べるDrumMania及びGuiterFreaksのクローンとしてプレイできる一方、 初期からの特徴としてハイハットのオープンクローズに対応しており、DrumManiaよりもリアルなドラムゲーム、あるいはドラムトレーニングアプリとして利用できる。
また、ドラムだけでなくキーボードやジョイスティックでも遊べる(なんなら音ゲーコントローラでも遊べる)し、パッドシャッフル機能もあるのでより「音ゲー的に」遊ぶこともできる。ビートマニアのコントローラやDDRのコントローラでも遊べる。
導入・選択
基本的なバージョンは次の通り
- DTXMania
- 本家。バージョン112が2018年3月リリース。 基本的に旧ドラムマニアベースでLPがない DTXManiaXG Ver.K
- 現在の主流。 DrumMania(XG/Gitadora)に寄せてあり、5レーンのGuiterRevolutionXG Ver.Kもある。 DTXMania Matixx
- Gitadora Matixxそっくりの新しいバージョン。本家の作者によるもの。 今のところ機能は最小限。
本家とXG Ver.Kに関して大きな違いとなるのが、LP(左ペダル)だ。
譜面上はLP(ハイハットペダル)とLBD(左バスペダル)があるが、 DTXManiaには独立したLPがなく、自動的にバスドラムとオープンハイハットに振り分けられるようになっている。
XGのほうはLP/LBDを扱えるようになっていて、LBDGraphics
という設定でこのふたつを分けて表示するかどうかを選べる。
DTXMania Matixxのほうはゲームセンター準拠のためLBDもLPもLPという仕様。
DTXManiaおよびXG var.Kは特にインストールも必要のないスタンドアロンアプリ。 Matixxはインストールするタイプで、Windows 10のみ。
だいたい譜面はLPを持っているのでDTXManiaXG Ver.Kが主流のようだ。 こちらは採用されている画面デザインによって色々バージョンがあるが、これはDrumManiaのどのバージョンのデザインに似せているかの違いだ。
V-Drums TD-4KP をつなぐ
TD-4KPは初代V-Drums portableで持ち運べるフォールディングタイプのV-Drums Kitだ。
音源モジュールはTD-4。発売は2009年と結構古い。 V-Drums Portableシリーズは2014年発売のエントリーモジュール TD-1を採用したTD-1KPX2に移行している。 こちらはモジュール自体はTD-4より簡素なものだけれど、パッドはメッシュヘッドになっていてグレードが高いし、ツインペダルに対応している。
TD-4モジュールは古いので、USB端子がなく、MIDI端子を持っている。 これを簡単と見るべきか扱いにくいと見るべきかは難しいところだけれど、とりあえず最近のオーディオインターフェイスはMIDI端子を持っていないのでめんどくさいのはまちがいない。
私は推奨されているRoland UM-ONEを使用した。これはシンプルなUSB-MIDIアダプタで、MIDI-INとMIDI-OUTを持っている。
手順は次のとおりだ
- UM-ONEのスイッチをCOMPにする
- 付属ディスクからドライバーをインストールする
- USBを接続する
- CONNECT TO MIDI OUTを TD-4のMIDI OUT端子に接続する
注意点は次のとおり
- 先に接続するとデフォルトドライバがインストールされる。純正ドライバをインストールしようとすると、これを削除して再起動するという手間が加わるし、接続しているとインストールできない
- UM-ONEの端子は “MIDI IN” ではなく “CONNECT TO MIDI OUT” と書かれている
これで使えるようになった。
DTXManiaXG Ver.Kの設定をTD-4KPに合わせる
パッドの設定
まずはDTXManiaを起動する前にTD-4本体からMENU
->6. MIDI
としよう。
これで叩いたときにどのイベントが発生するかを確認できる。
セレクトスイッチを使ってチャンネルを変更することもできる。必要なら変更しておく。 再起動時にチャンネルが変わってしまって認識されないこともある。
DTXManiaXGを起動し、Configuration
->
Drums
-> Drums Keys
から各ノーツにパッドを当てていく。
同じイベントを複数のノーツにあてることはできない。
TD-4KPの場合シンバル全てEdgeとBowのふたつのイベントを発生する(CY-12R/C, CY-13R, CT-15Rに換装している人はベルも)。 ハイハットはオープンとクローズで異なるイベントを発生するが、TD-4は多分ハーフオープンイベントは生じない(そもそもFD-8でハーフオープンを鳴らすのはとてもむずかしい)のでハーフオープン処理は多分いらない。
メッシュスネア(PDX)を使っている場合はリムイベントもある。リムイベントを当てるかどうかはお好みだけど、私の感覚としては「クロススティックはわざわざやるから鳴ってほしいけれど、オープンリムショットはミスでやることが多いから切りたい。でもTD-4はそもそもオープンリムショットを認識しないので両方スネアにあてておけばいい」だ。
表示と鳴り方の設定
HH-Group
次のようになっている
- HH-0
LC|HHC|HHO
- HH-1
LC & (HHC|HHO)
- HH-2
LC | (HHC&HHO)
- HH-3
LC & HHC & HHO
TD-4KPには左シンバルがあり、ハイハットペダルもあるのでHH-3
でよさそうなのだけれど、
FD-8の離れがすっごく悪くて、ペダルハイハットとオープンハイハットが交互に出てくるフレーズはまず間違いなく成功しない。
TD-4上で離れていても、ペダルオフの信号をすぐ出してくれない。
なのでHH-2
(ゲーセンと同じ) にしておく必要がある。
本当はHH-3
でがんばりたいのだけど。
BD-Group / LBDGraphics
TD-4KPには「左バスペダル」はないので、全て区別されるBD-0
はなし。
また、ツインペダルにも対応していないのでBDとLBDを同一に扱っても右足で連打するしかない。
そのためゲーセンと同じ仕様で「LPはバスとハイハットのマージ」として扱えるLP & LBD | BD
であるBD-2
。
バスの左右の区別をやめてほしいならDB-3
。
BD-2
にするならLBDGraphics
はA
でよく、BD-3
の場合はLBDGraphics
はB
にしたほうが練習になる。
CY-Group / Cymbal Free
TD-4KPには「右シンバル」はないので、ライドと同一視してくれるCY-1
(ゲーセンと同じ)か、
Cymbal Freeを有効にしてシンバルはクラッシュを叩く。
なお、CY-1
にしとかないと、シンバルふたつ同時鳴らしのときに困るかもしれない。
また、NumOfLanes
をB
(9レーン)にするとゲーセンと同じで右シンバルとライドシンバルをマージしてくれる。
これも解決策になる。違うレーンで叩くところは同じっていうのは割と混乱するので、お勧めかもしれない。
HHO Graphics
C
にすればゲーセンと同じ仕様。
しかし、いくらペダル切れが悪いと思っても、同一視していてもオープンとクローズはたたきわけたいだろう?
というわけで、DTXMania的にはA
。
接続とHit Sound
基本的には
- Hit Sound ONでPCから音を聞く
- Hit Sound OffでPCとTD-4のAudio inをつなぎ、TD-4で音を聞く
の2択なのだけど、後者はLPで混乱するし、TD-4の音はしょぼいのでおすすめできない。
ちなみに、私はTD-4で音を聴いているけれど、Hit Sound ONにしている。
Velocity
Ver.Kの場合はconfig.ini
の編集。
TD-4KPはケーブルに干渉したり、共振でもスイッチが入ってしまうので、若干制限したほうがよさそうだ。
タイコは20
、シンバルは5
だろうか。
私はケースに触れてしまうことがあるため、ハイタムを高めに制限しているが。
SoundType
Windows Vista以降ならWASAPI。
ASIOはうちの場合できる環境だけど(音楽制作用なので)、めんどい。
音ズレ
Input Adjust
で調整できるけれど、環境によるので、あまりこれといった設定はなく、
それ以上に「譜面によってずれ方が違う」ほうが大きい。
これはShift+↑↓で10ms単位、Ctrl+Shift+↑↓で1ms単位で調整でき、曲ごとにこの調整は保存されるというので、 主にこちらを使うことになりそう。
これで調整したら、違う環境ではInput Adjust
で全体を合わせればよさそう。
所感
TD-4KP叩きにくい
「コンパクトであること」を最優先した結果なので仕方ないけれど、セッティングの自由度が低く、パッドは小さく返りも悪いことから結構叩きづらい。 叩いているとフロアタムは遠くにいってしまうし、シンバルは回ってしまうし、やりづらい。
以前はバスペダルが非常に悪くて苦労したが、現在はアイロンコブラのまぁまぁ良いものにかわったため叩きやすくなった。
楽しい
単にTD-4KPで基礎練しているよりも楽しいし、曲練習のいいサポートになる。 単純にスコアを叩いているだけだとあまり効果はないだろうけれど、 特にHit Soundをオフにしていれば表現力もチェックできるため、曲に合わせた練習をしつつ立てタイミングに点数をつけてもらうことができる。
どちらかといえば、自分がやりたい課題曲の譜面を作ってやり込むのがいいと思う。
これTD-17KVXでやったら相当楽しいだろう。 反応は良好で、DTXManiaのフル機能が使えるし、 フィーリングもDrumManiaより格段によく、ちゃんと叩きやすいセッティングで叩くことができるのだから。
時間泥棒
普通に練習していても2時間くらいは経つが、逆にゲーセンでは2時間は割と長いほうだ。 もちろん、お金がかかるという面もあるが、そもそも「3曲+アンコール」という構成であることと、プレイ数が限られていること、見ている人がいる場合あまりに簡単な曲をやることは気が引けるといった理由から激しい曲をプレイする傾向があり、特にアンコールではきつい曲をやるため長時間はもたない。
DTXManiaではいくらでも同じ曲を練習できるため、長時間になりやすい。
なお、DrumManiaは1プレイ120円で、2時間で1500円くらい。 毎日やるならPCとエレクトリックドラムを揃えるところからはじめても半年くらいで元が取れる。
なお安いエレクトリックドラムはDTX400KS, TD-1K, が5万円ほど、Surge Mesh Kit1が7万円ほど、私お気に入りのTD-17KVX-Sは16万円ほどだ。
楽譜がわりになるのでは
ドラムは他の楽器と比べて楽譜を設置することが難しく、楽譜の重要性も低いためより暗譜よりである。
そのため、新しい曲はだいたい覚えて叩くのだが、譜面を作るときにDTXmaniaとかありだと思う。
私がやるとドラムで譜面を作っても自分のレベルより相当低い譜面しか作れない。 DTXManiaの譜面作成ならいくらでも難しい譜面を作ることができ、それを練習してから臨めばハイレベルな演奏ができる気がする。
ちょっと不安定
DrumManiaでもプチフリーズによる「飛び」が発生することがあるが、それと比べてDTXManiaはやや飛びやすい。
そもそもDrumManiaはWindows Embedded Standard 7上で動作しており、それと比べて不利なのかもしれないが、 Celeron B810よりは高クロックなプロセッサで動かしているのでがんばって欲しい感じはある。
また、割と落ちる。
LPとLBD問題
DrumManiaの仕様上難しいのかもしれないが、まずLPとLBDがちゃんとわけてあるかという問題がある。
実際は左右どちらで入っても構わないため、現実的にはBD-3
しかなくなってしまい、「LBDを全てBDに追いやる」というオプションが欲しい。
低価格ながら少し口径の大きいメッシュパッドを採用していると評判。表現力があまりないが、ゲームのトリガーとして使う場合は問題にならない。 ただ、故障が多いという噂もある。↩︎