ConoHaのCPUは本当に速いのか試してみた
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ConoHaの5周年イベントで@hironobu_sさんが「ConoHaはCPUが速いので」という話をしていたので、「本当に速いんだったら使いみちが増えるなぁ」と思って試してみた。
だいたいこういうときはLinuxカーネルをビルドするものだけど、それはちょっと私のConoHaインスタンスには辛いものがあるので、zsh-gitをビルドしてみた。
ビルドはzsh-gitを一旦ビルドしたあと、パッケージを削除して再度makepkg
する方式だ。
1GBしかメモリのないConoHaではtmpfsに置くのは難しいため、公平を期すためストレージ上に配置してビルドした。 ただし、Proliantに関してはIDE HDDで低速であるため、tmpfs上に置くこととした。
マシン | CPU | メモリ | ストレージ | 結果 |
---|---|---|---|---|
ThinkStation P720 (Performance) | Xeon Silver 4114 *2 | 16GB DDR4 | (tmpfs) | 58.85s user 16.15s system 63% cpu 1:57.77 total |
ConoHa | - | 1GB | SSD Vdisk | 68.20s user 18.65s system 67% cpu 2:08.76 total |
ThinkPad X1 Carbon | Core i5-7200U | 8GB DDR4 | SATA3 SSD +LUKS | 85.58s user 31.33s system 73% cpu 2:38.57 total |
自作 | A10 7870K | 32GB DDR3 | SATA3 SSD +LUKS | 86.29s user 27.51s system 73% cpu 2:34.90 total |
Z400 | Xeon W3565 | 20GB DDR3 | SATA2 SSD +LUKS | 94.57s user 27.29s system 74% cpu 2:44.22 total |
ThinkStation P720 | Xeon Silver 4114 *2 | 16GB DDR4 | NVMe SSD +LUKS | 101.57s user 49.95s system 80% cpu 3:08.84 total |
Proliant microserver | Turion II Neo N54L | 4GB DDR3 | (tmpfs) | 146.95s user 46.53s system 84% cpu 3:50.16 total |
えぇぇぇ…
まず、超高性能マシンであるところのP720が異様に遅い。 CPU利用率は高くても8%、周波数は800MHzのままで、凄まじい余裕を見せつける…のはいいけれど、とにかく遅い。
そこでもう我慢ならぬとcpupower frequency-set -g performance
してtmpfsを解禁してやってみた結果が1位のものだ。
この場合でもCPU利用率は0.5%未満で、辛いものがある。
さて、X1 Carbonが積んでいるのは前世代のCore i5で、ラップトップとしては標準的な性能といっていいと思う。 A10 7870Kは今のデスクトップ用Core i3と同じくらい、Xeon W3565もだいたい同じ感じだ。
この感じだとConoHaと同等というと、6コアのi7でないと厳しいのではないか、というくらいConoHaが速い。
P720とProliantが採用するのはサーバー用プロセッサだ。ProliantのTurionは激安サーバーに使われているもので、イマドキちょっと見ない。 一方、P720が使用しているのは最新のサーバー用プロセッサで、4114を2基搭載するサーバーというと、結構な高級サーバーである。例えばHPE ProLiant DL360 Gen10がXeon Silver 4114 *2という構成だが、776,000円である。
つまりConoHaはちょっと自分では持つのは厳しいコンピュータくらいの性能がある。 コンピュータがマニアックな趣味の人でなければちょっと買えない、実用的なコストパフォーマンス的には買わないようなコンピュータ並の計算力を持っているということになる。
これまでConoHaが「あれ、なんか速いな」と思うことはあったのだが、それでもそんなに計算リソースが割り当てられているとは思っていなかったので、あまり負担をかけないようにしていた。 ぶっちゃけ、AURパッケージはローカルでビルドしてパッケージをアップロードしていたくらいだ。
しかしここまで速いと、AURパッケージのビルドくらいなんということはない(メモリ的に厳しいところもあるが)、どころか、「計算用のノードとしてConoHaインスタンスを立てる」ということが成り立つレベルである。
こうなると使いようがすごく広がるし、感覚的にも全然違う。
おみそれしました…