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2018年版コミュニケーションメディア 所感

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eメール

最近はeメールを使う人は本当に減ってしまったようで、個人的なやりとりに使われることは現状ほぼない。

特段見くびるほどの欠点があるわけではないと思うのだが、実際のところレガシーな使いづらさというのは存在する これはどちらかというとソフトウェア実装上の問題である。

ただし、柔軟性に関しては最も優れている。 オープンで共通の仕様という意味では被験するのはXMPPくらいのもので、 この点を理由にeメールを扱いたい理由はある。

若い人の場合、大学生、あるいは大学卒であればeメールは扱えるが、 そうでない場合は扱えない傾向があるようだ。 また、eメールを扱う場合でも、特定のアプリとアカウントが紐付けられた状態(LINEのような状態)で認識しており、使い方は理解できていないというケースが目立ち始めている。

LINE

依然として日本においてデファクトスタンダードの座を譲らないLINEである。

アプリの使いづらさはある程度改善されつつあるのだが、Windowsアプリ版の使いにくさには批判が多いようだ。 また、アプリの種類によって機能が異なる点は単なる使いづらさになっている。

モバイルアプリ版に関してはヴォイスメッセージ機能が秀逸である。 トーク画面でヴォイスボタンを押している間に発した言葉が送信される。 あまり活用されていないようだが、非常に優れた機能といっていいだろう。(LINEが初なのかはわからないが)

メッセージ消去機能がついたが、Skypeと比べれば証拠消しなどには使いづらく良心的だと言えるだろう。 直前消去だけで良いのではないかという気がするのだが…

通話品質はあまり改善がみられず、非常に切れやすい。

LINEが優れている点はわずかだが、普及とスタンプという蓄積要素があるため、乗り換えも容易ではないところまできたように感じる。

Kakao Talk

混沌の時代に現れ、様々な雑な対応でユーザーを失ったカカオトークだが、 その混沌と荒野、そして雑さをついて出会い系利用に拍車がかかった。

直接的にIDを交換するケースもあるが、他の出会い系メディアからの連絡手段交換として利用されているようだ。 出会い系、というとソフトにきこえるが、ほぼ売春・援助交際目的である。

そして、それ以外の用途というのはあまり利用されていないことから、 「インストールすることでその人の素行品性が問われる」という状況にあるといっていい。

Skype

Microsoftに買収されてから改悪を続けるSkype。 5.4になってからレビューを著しく落としたのは有名な話だが、それ以降さらなる改悪を続けている。

まず、コンタクト機能がなくなった。 電話帳利用を強制しており、利用しない場合はコンタクト機能が存在せず管理不能の状態になる。 チャットした相手は全て自動的にコンタクトがある状態になる、という仕組みだ。 電話知用機能のないLinuxの場合、「チャットをしたことのある相手一覧」という形式になる。

また、ステータス表示機能もなくなった。 これは一旦削除し、激しい批判を浴びて復活させたのだが、完全になくなってしまった。 これは今までは「モバイルアプリ版にはない」だったのだが、ステータス通知APIもろともの削除で、外部アプリを使った場合でもステータスは取得できない。

SkypeのSNS化進行も激しく、だいたいsnapchat化している。 Skypeのコンタクトにはあまり親しくない人も多いことから非常に困ってしまう。

通話品質も低下しつつあり、より通話品質に優れるアプリが登場していることから避けたいメディアになりつつあるようだ。

Telegram

LINEと類似の一通りの機能、無料のステッカー、ステッカー同様にGIFを利用する機能などなかなか魅力的だ。 また、LINEに追加されたヴォイスメッセージに近い機能(もうちょっと慎重)と、同様に利用できるビデオメッセージも利用可能だ。

だが、致命的なのはWhats Appを意識しているのか、「電話番号と本名を前提としている」ということだ。

基本的にユーザー検索時はファーストネームと電話番号が必須である。 裏技として、ユーザーIDだけわかっていればシークレットチャット開始→ID検索ということも可能だが、 検索結果に本名と電話番号が表示される。

検索を防ぐ設定はないので女の人などは非常に不安だろうし、 「電話の代わり」という仕様はWhats App同様いかがなものか。 「日本人は秘密主義すぎる」みたいに言われることがあるのだが、世界的に見てそんなに受け入れられている気はしない。 むしろアメリカ人が個人情報やプライバシーに無頓着すぎると思う。

通話機能はかなり切れやすく、快適ではない。

XMPP

依然としてXEP-180(ビデオ通話)に対応したクライアントがなく、どのアプリも快適にはほど遠い。

期待されていたJitsiに関してはそもそもXMPPをやめてしまったという状況だ。

モバイルアプリは最も有力なのはXabberだが、Xabberにしてもあまりデキはよくない。 重要な相手とのやりとりには使用できないが、あまり密ではない(取りこぼしがあったとしても構わない)ような相手とのやりとりには利用できるだろう。

「XMPPを利用している人は少ない」という前提のもと、「XMPPを利用できないレベルの人にXMPPでやりとりをできるようにする」という作業を行う状況というのが限定的すぎて現実的ではない。

ただし、メリットは全くないわけではない。 XMPPアカウントの取得は比較的容易で、XMPPのウェブクライアントも存在するためだ。

PCの場合はインストールも不要で簡単にXMPPで会話することが可能になる。

現実的にはスマートフォンでインストールもせずにチャットするのはかなり難しい。 だが、そのような人はおそらく会話する意思に著しく乏しいものと思われるので配慮するだけ無駄ではないか。

Jitsi Meet

Jitsi MeetはWebRTCクライアント+WebRTCサービスである。

一応、他のWebRTCサービスも利用できるようだ。

つながっている手段が通話機能を提供していない場合(たとえばTwitterなど)、あるいはその方法が適切ない場合に有効である。 特に個人情報を教えたり登録したりする必要もないのもメリットと言えるだろう。

Discord

Discrodが良いものであることは既に明らかだが、明確な欠点がある。 それは、アカウントの使い分けが困難だということだ。

PCならいくつか方法はあるのだが、Discordは活用ジャンルが非常に広く、通知を分けることもできず、特定のチャンネルに集中することも難しい。 別にDiscordに固有の問題ではないとはいえ、便利だからといってあれもこれも教えていると困ることになってしまう。

方法は色々ある(たとえばInvisibleにするとか)のだが、使い方に配慮が必要なのは確かだ。

通話品質は非常によく、現状ベストな選択肢である。

なお、招待すると「ゲーマー」のところにみんなひっかかるので、そろそろ他のことも書いてくれないか。

Slack

日本語版がリリースされ、CMも打たれたため、名前だけは知っているような状態になっている。

実際一般にそこまでSlackが広まった印象はないが、少なくとも提案したときに受ける抵抗は減ったように思う。

Slackはログを商売にしているが、あまり良い手ではないというのが一般の意見だ。 XMPPサポートをそれを理由に切ったことも批判的に見られている。

Slackは全体的にDiscordに見劣りするが、明確にDiscordより優位な点がある。 それは切り分けが容易なことである。ユーザー単位では認識されないし、チームは分離される。 常に適切なリージョンで分割できるというのはメリットといっていいだろう。

なお、Slack Webはスマートフォンでは利用できない。

Google Hangouts

品質はあまり変わっておらず、少なくともSkypeやLINEよりは良い選択肢といっていいと思う。

しかし、Googleアカウントが特定されてしまうこと、結果としてGMailもわかってしまうこと、Google+をやっている場合は自動的にGoogle+でもつながってしまうことなどFacebook Messanger同様の使いづらさが存在している。

Viber

楽天が取り込んでいるけれども、プライバシー面で改善されたという話は聞かず、 かなり不安な状況のままだ。

まとめ

  • Discordは良いもの
  • 仕事など限定された環境のつながりはDiscordでなくSlackで
  • DiscordとSlackの使い分けは大事
  • LINEやTelegramのようなプライバシーに関わるものをプライベートなつながりでないのに要求する人からは逃げよう
  • 親しい人とLINEを交換するのは妥当。ただし「その人が親しい人でなくなるリスク」とセットで考えないと、ブロック/削除しても可視性が残る
  • Googleアカウントでつながってしまっている人に関してはHangoutsというのも結構妥当
  • 「とりあえずXMPPアカウント交換しておこうかな」というのもまぁ妥当な判断
  • カカオトークはやめましょう。人間性の問題になる。
  • Telegramは現状、電話番号以上のプライバシーの塊なので、本当に親しい人とでないと困難
  • チャット機能に関してはTelegramかなり使い心地いい
  • 妥当というか無難なのはLINE。メッセージ到達性は一番優秀
  • メール侮るべからず
  • 匿名性を保ってつながりたいという人は、XMPPとJitsi Meetを提案するのが多分無難
  • そのうちチャットつくるよ
  • Mimir YokohamaはTelegramが対応済み。XMPPもそのうち対応します