富士通の「はじめてのじぶんPC」、何が問題か
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序
富士通から子供向けのラップトップ「はじめてのじぶんPC」が登場し、これがプチ炎上している。
しかし詳しくない人から見れば何が問題なのかわからないだろう。 だが、ここは変なカモを増やしてしまわないためにも、(パソコン選択に関する記事も遅れているので)解説しておこうと思う。
CPUの問題
CPUはCeleron 385Uである。
処理性能は極めて低い。 一体なにに使うのだろう。ウェブブラウジングですよ、という話だとしたらなかなかセンシティブな問題で、なんといってもフィルタリングだなんだと言っているくらいなのにブラウジング専用パソコンを与えるのか、そもそもそれならスマホでいいじゃないか、といろいろ問題である。
というか、ウェブブラウジングとかそういう軽い作業だけなら親のコンピュータを借りてもいいわけだし、一日中ウェブブラウジングする前提ならそれはそれで問題だろうし、一体なにに使いたいのかがわからない。
基本的にCeleronは「世代をこえてしょぼい」上に385Uなんていうともう買ったときからおんぼろたんのほうが遥かにマシというところからスタートすることになる。
メモリの問題
4GB。なにをするにも足りない4GB。 Windows10は稼働中にもりもりメモリを使っていく傾向があるので(起動時に足りていても結局足りない)、4GBでは何もしなくても足りない、が正しいかもしれない。
オフィスソフトを使うのは苦痛でしかないだろうし、私だってメモリが4GBならそれならに特殊な運用を考える。
「子供のうちからメリもは4GBで十分と教育するためではないか」(IT企業が劣悪な環境での開発を強いることに対する抵抗感を軽減するためではないか)というジョークがあったが、割と真実味があるレベルである。
理解している人の自己責任としての4GBならいいのだが、「わからない人向けに4GB」というのはどう考えても無知に付け込んでカモる気にしかみえない。
サイズはOK
14インチというサイズはちょっと微妙だ。 モバイルとしてはやや大きめ、家で使うには小さい。
そういう微妙なところをつきたいケースもあるし、私が使っているX1 Carbonは14インチでありながら13.3インチとしても軽い重量で見やすく大きな画面を兼ねるが、この場合そうではない。
何を狙っているのかよくわからないが、基本的にこれはよいとする見方が大部分。
重量はひどい
2kgという重量は14インチとしてはエントリーモデルの重量であり 持ち歩きの重量ではない 。
一般的に持ち歩き用のラップトップの重量は1.5kg以下。私のX1 Carbonは約1kgだし、軽いものでは800gを切るほどだ。
なのに2kg。ただえでさえ残酷といえるほどの重量になりやすい子供の荷物に2kg。
私だったら許せない。
以上を踏まえて
これだったらモバイルラップトップの中古のほうがマシではないか。
別に特別にタフ設計ということもないだろうし、不足することが明らかなのに、知識がないことを前提として使わせるというのが批判を浴びている部分だ。
ちなみに、7万円〜9万円強という値段からして全く安くもない。 やたら高い値段で半ばゴミのようなパソコンを売りさばく、という最悪のビジネスモデルだと言っていいだろう。
私は、こういう無知につけこむビジネスは、大嫌いだ。