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新しいチェア、WINcaseを導入

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トランセンドのツイートでコンティークスなるゲーミングチェアを知り、今のバロンチェアに限界を感じていたので関家具に見に行って、ついでに色々試したところ、WINcaseという高級ゲーミングチェアに惚れ込んでしまい、展示品が安く出ていたので買ってしまった。

なお、私は多くのディスプレイをハイマウントし、デスクに傾斜をつけて使う仰向けスタイルで作業している。

ゲーミングチェア

ゲーミングチェアはだいたいだが、2万円代半ば以下のものが低価格帯、4万円台くらいまでのものが中価格帯、5, 6万円台あたりが高価格帯となり、それ以上、7万円台から10万円程度のモデルはかなり少なく、プレミアモデルが多い。

WINcaseは14万円と、高級ゲーミングチェア、いや、いっそ超高級ゲーミングチェアと言っていいものである。 ただ、実売は公式でも10万円程度。それでもゲーミングチェアとしてはバカ高い。

ゲーミングチェアの基本的な考え方は、「体を支える」である。バケットシート風のものが多いが、当然ながらGがかかるわけではないのでバケットシートが必要なわけではない。 ゲーミングチェアがバケットシート型なのは、見た目上の理由が大きいが、体との接点を増やすことで体圧を下げる意図がある。

ゲーミングチェアの場合、長時間、同じ姿勢で、すさまじい集中力を要求される、というのが基本的なポイントだ。 このため、体をしっかりと預けられるようにフレームが丈夫で、長時間でも潰れないよう元からかなり固く、非常に深くリクライニングでき、各部の調整が細かくできる、というような要素が基本だ。 一般的にはクッション性がない上に、体を深くサポートするために座面手前が上がっていることが多いため、机にかじりつくような姿勢は非常に辛いのが普通。しっかりしたフレームと接点の多い構造で体圧をお尻以外にも分散させて負担を減らすのが基本だ。サポート類も充実していることが多い。

私が最高に気に入っているのが、NobleChairsのEPICだ。かなり硬いが、フィット感が素晴らしく、安定感が良いため深く寝かせても全くぐらつかない。

このEPICは6万円程度で、ゲーミングチェアとしてはハイエンドモデルになる。一般的にこれ以上を求める場合、本物のバケットシートをチェアに仕立てるというのが一般的なようだ。 レカロシートやスパルコシートとキャスターアタッチメントというのがよくあるが、ブリッドからはオフィシャルにキャスターが出ていたりする。 ただし、こうした本物のバケットシートを使用したとして、ポジションの調整機能やフルリクライニング時の安定性など、ゲーミングチェアの優れた特徴を持っているとは限らない。

WINcase

WINcaseは関家具とエルゴヒューマンのコラボで生まれた、「ゲーミングエルゴヒューマン」とでも言うべき椅子である。

もっとも、バケットシート型ではなく、「ゲーミング」と言ってもらわないとゲーミングを感じられない。 むしろエラストメリックメッシュを採用し、エルゴヒューマン感が溢れている。 エルゴヒューマンの機能的スタイリッシュさとも違う。割と見た目至上主義なところがあるゲーミングチェアとしては致命的なくらいの無骨さだ。

エルゴヒューマンのチェアといえば、基本的にはアーロンチェアや、オカムラのコンテッサなどと同じ、「人間工学型メッシュチェア」である。WINcaseはそういった定番高級チェア感とは違い、なんかメカメカしくてカクカクしてる。 高級感はあまりなく、これが10万する椅子だと言われるとちょっと驚いてしまうかもしれない。

WINcaseは一般的にあまり知られていない。あまりプロモーションされていないのが原因だろう。公式サイトも紹介動画があるだけというあっさり加減。WINcaseという名前を知っている人は少ないだろうし、ゲーミングチェアを検討する上でWINcaseを検討する人は非常に少ないのではないか。 ただし、コロナ禍でのリモートワーク需要で、高級チェアとしてはお手頃な(コンテッサやアーロンチェアよりも一回り安い)価格によりエルゴヒューマンは争奪戦になり、エルゴヒューマンと類似であり、なおかつエルゴ ヒューマンより少し安いということもあってWINcaseも注目集めた面があったようだ。

WINcaseは、エルゴヒューマンをベースにした上で、ゲームに向けてチューニングしたという感じだ。基本的な構成やアラインメントはエルゴヒューマンに良く似ている。 調整機構を充実させ、エルゴヒューマンよりもパーフェクトな姿勢をつくりだし、そのパーフェクトな姿勢のまま身じろぎもせず何時間も固定されることを想定して機能を追加したという感じ。このことから、フィッティングはエルゴヒューマンが最適だと思われるものを提供しているのに対し、WINcaseは調整によって作り出す感じになっている。

非常におもしろいのがアームレスト。 ゲーミングチェアらしく調整機構が豊富なのはもちろんそうだが、

  • でかい
  • ウレタン製でクッション性が良い
  • 真ん中から折れる(!!!)

という仕様。ゲームパッドでのプレイでもしっかり支えてくれるし、ハイセンシ派のマウスプレイにも心強いだろう。 私の場合、部分的に傾斜をつけることができるデスク(サンワサプライ 100-DESKN003M)を使用して、深くリクライニングする「寝そべりスタイル」をとっているが、うまく傾斜の干渉をさけつつ使える。

一方、ゲーミングチェアとしては一般的な、そしてエルゴヒューマンにも備わっているアームレストの前後方向の調整機構はなくなっている。大きい分あまり調整がいらない面はあるが、干渉を避けたい場合には少し困る場合もあるだろう。

ゲーミングチェアとはいえ、もともとが座り心地の良いワークチェアであるため、座り心地は極上によく、メッシュ座面が沈み込み、調整可能なバックサポートとなるスパインサポートによりゲーミングチェアっぽい、深いサポートが提供される。

リクライニングもあるが、ゲーミングチェアとしては倒れ具合は浅め。 水平に迫るほど寝るものもあるので、40度までというのは控えめだが、実用的には十分。 ただし、「4段階」という制限がある。無段階リクライニングが一般的なので、短所かもしれない。

重量は27.5kgと超重い。フォルムは上部分が大きいのっそりしたもので、あまりかっこ良いとは思わない。 不細工というより無骨であり、エルゴヒューマンやアーロンチェアのような洗練されたフォルムとは異なる。

WINcase レビュー

ここまで見れば全体的にチェアのグレードは順当にあげてきたといえる。3万円程度のチェアのあと、7万円のチェアの中古、10万円のチェアの中古ときて、希望小売価格14万のチェアにきたわけだ。

WINcaseはだいたい究極の位置にある。 これで全く不満だと言うならエルゴヒューマンで満足できないのは間違いなく、アーロンチェアかエンボディチェアか、レカロか、ブリッドか、コンテッサか、リープか……くらいしか選択肢はないのではないだろうか。 こうなると優劣というより好みの話になるだろう。だから、言えるとしたら、WINcaseが好きか嫌いか・・・の話になる。もちろん、14万もしながら粗悪だった、という展開もないではないが、しかしながら関家具とエルゴヒューマンである。それが粗悪であろうはずがない。

それを踏まえた話になる。

まず「しっくりくる椅子」といって伝わるだろうか。 だいたい、どんな椅子でも座ることはできるはずだ。パイプ椅子だろうと、板状のベンチだろうと、あるいは階段だろうとバランスボールだろうと。 快適かどうかは別だ。体に負担もかかるかもしれない。でも座ることはできる。そして、それが日常座るしかない「いつもの椅子」なら体のほうをそれに合わせるだろう。どんなに体に負担が大きくても、座ることには馴染むようになっていくだろう。 だから、「その椅子に座る」という行為にはやがて馴染む。椅子に座ることに違和感を感じるということはなくなっていく。ベッドだってそうだろう。

これがいい椅子なら感じないというものでもない。 デュオレハイはしっくりくると思ったのだが、少し違う。体がタイトに収まるから「体にぴったり」と感じはするが、「体を収めればぴったり固定される」という話であって、しっくりくるというのとはちょっと違う。しかも、長時間座ってるとだんだん窮屈に感じてしまう。

エクサージュもわりとしっくりくる方だ。だが、座った瞬間は「良さそう」と思うのだが、それがクライマックス。そこから体に馴染む感覚がなく、その「良さそう」レベルのしっくりが続きつつ体に徐々に負担になっていくだけで、「良い」にならない。

一方、バロンは良い椅子だが、「こういう椅子だ」という納得の仕方をする。 確かに安定感があり、しっかりと体を支えてくれるとは感じるが、なんとなく落ち着かない感じがする。良い椅子だし、ちゃんと体を預けられるが、「座っている」感が大きい。

そこで私が「しっくり」を求めたのがEPICだ。快適ではないが、とにかく体はすっと収まり、負担がない。そのまま椅子に完全に体を預けることができ、時間とともに椅子と一体になっていくようだ。クルマのバケットシートもそうだが、結局こうして椅子な体を預けてしまうほうが負担は少ない。しかしながら、EPICはあくまでそうして一体になることで快適というだけであり、一体になれる姿勢というのは限られている。だから、事務作業にはとても使えない。そして、割とぱっと座れば体に馴染み適切なポジションになるのだが、それでも完全にフィットさせるには多少のポジション調整が必要だ。

そう観点から言えば、このWINcaseは 座った瞬間から自然なのである。 当たり前のように座れば、もうずっと使っている馴染んだ椅子のように体にフィットする。 結構いい椅子に座ったこともあるのだが、こんなのは初めてだ。いや、エグゼクティブチェアの類であればフィットするということ自体は経験がある。だが、個人的にはソファも苦手で、軽い前屈になるような姿勢は少し息苦しく感じる。骨盤を立てていれば平気なのだが。 もちろん、ちゃんとした姿勢でフィット調整すればもっとフィットする。だが、座った瞬間になんの不満もないことを感じさせる。見た目が無骨であまり高級感がないだけに、座った瞬間にあまりにも完璧な座り心地に困惑してしまう。店頭でもこれでかなり驚いて、値札を見て納得したという経緯がある。そして、実際に部屋で座ってみても変わらない。座った瞬間からパーフェクト。そういう椅子だ。

この椅子を買った経緯としてそもそも腰痛がひどかったというのがある。 腰痛がひどくて、立っていればまだなんとかなるが、座ったり横になるとくらっとするほど痛かったのだ。そして、今も痛い。 だが、WINcaseは座ったときに、痛みがあること自体は感じるが、重みを感じるだけで痛いとは感じない。なんとパーフェクトな椅子だろうか。

座り心地はとても良いが、ちゃんとポジションを取らないと今度は姿勢ゆえの痛みが出てしまう。 一般的なゲーミングチェアと比べるとゆったりした座り心地だが、それでも意外とタイトだ。ちゃんとポジション合わせを行う必要があるだろう。

だが、ポジションを合わせれば時間が長くなってもまるで気にならない。 多くのプログラマ、あるいは文筆家に同意してもらえると思うが、手を動かしている時間よりも考えている時間のほうがずっと長い。 もちろん、特に文筆においては書きながら考えることもできるが、筆が止まることは普通にある。

では筆が止まったときにどうするか、といえば、もちろん気分転換が必要なこともある。 私にとって一番はシャワーを浴びることだが、お出かけということもあるだろう。 だが、それはどうしても煮詰まったときの話であり、ただちょっと思索にふけりたいことはたくさんある。 そういうとき、どうしても痛いとか息苦しいといったことに敏感になりがちで、作業中は気にならなかった椅子の存在感が増してしまったりする。

そうしたことを考えるとWINcaseは素晴らしい。 座った瞬間からしっくりきて、体を安定させてくれる。これほどまでに腰痛がひどくても座っていて痛いという感覚がないし、むしろ痛みがましになるため、ずっと座っていたくなるほどだ。 思索を巡らせ、手を動かすという繰り返しにおいて、体の負担がごく少なく行うことができる。

現実の作業状態、コンピュータに向き合っている、デスクに向き合っているという状態においては非常に優れた機能だ。それぞれのモードにおいて優れた機能性を発揮する。

それでも座っていることが全くつらくないというわけではない。これ以上に完璧に近づくことができるのかどうかもわからないが、2/3段目のリクライニングで10時間も座っていればそれなりにしんどさを感じる。だが、他の椅子の相対で言うならば、かつてないほど安定して快適だ。そして、4段目を使えればより負担は少なく、10時間以上座りつづけることも可能だろう。ディスプレイを高めにセットすれば、ヘッドレストが割と前にくることから現実的に使える。

難点としては、「滑りやすい」ということがあるだろう。 服によっては体が安定せず、だんだんずり落ちて服がまくれてしまったりする。

ポジションとセッティング

調整機構は一般的なゲーミングチェアと少し異なり、やや少なくも感じられる。 しかし、ポイントをしっかり押さえた調整機構は他のチェアではできないようなフィッティングを可能にする。

メインデスクは100-DESKN003Mがメインであり、[100-DESK094をマウステーブルとして使っている。]100-DESKN003Mはキーボード部に角度をつけることができ、さらにディスプレイアームを使うことで仰向けスタイルを選択している。

これによって背中にも体圧を分散することができるから、体への負担がとても減る。だが、この場合特に大きな問題は主に

  • 背中に思い切り体重を預けられる椅子は限られる
  • 体をしっかり支えられる必要がある
  • 適切な角度に設定できなくてはいけない
  • 椅子自体がつっかえてしまう
  • アームレストがつっかえてしまう

ということだ。最初の3つはゲーミングチェアならば解決できるようなものだが、残りふたつはむしろゲーミングチェアだからこそつっかえてしまう。

だが、WINcaseはゲーミングチェアと比べつっかえにくい形状をしている。 そして、アームレストがリクライニングに合わせて動き、高さは非常に細かく設定でき、さらに角度をつけられることからしっかりとアームレストを活かして腕全体をサポートし、キーボードにフィットさせることができる。

メインデスクに対するフィッティング

サブデスクはニトリのラボーロだ。2段合わせになっているL字デスクで、サブといいつつ、会社の仕事ではこのデスクを使うため、むしろこのデスクに向かっている時間が長い。

このデスクに向かうときは普通のデスクに対するセッティングだと考えて良い。加えて、構造的に割とつっかえやすいデスクだ。 だが、このポジションにもしっかりとフィットする。

サブデスクに対するフィッティング

ゲームではこの「折れるアームレスト」が大活躍する。 コントローラなりスマホなりをしっかりとホールドしてポジションをとるのに最適である。

WINcaseが単なるエルゴヒューマンのバリエーションモデルではなく、本当に「ゲーミングチェア」として考えられていることを感じる。

ただ、ポジション出しという意味では、やはり4段階というリクライニングは少ないと感じる。せめて間を含めた7段階は欲しかった。

Finally

しっかりと様々な状況で使うため、ついてすぐではなく、週間ほど使ってからこれを書いている。 そして、その上で、結論は、「最上の椅子という言葉に恥じない」である。

まるで何の負担も感じないとか、全ての苦痛が消え去るということはない。 そんな魔法ではないが、それでもバロンやエクサージュといったハイグレードなチェアでさえ辛かったにも関わらず、それよりもずっと快適で、ちゃんと耐えられるようになった。

単に良い椅子なら他にもあるかもしれない。実際の環境で使ったことがないから比較はできない。アーロンチェアやコンテッサなどはもっと良い、という可能性もないではない。   だが、そうだとしても大きな壁になるのが、体のサポートと干渉だ。

良い椅子になればなるほど干渉は厳しいし、ゲーミングチェアは干渉は大きな壁になる。 体のサポートという点で重要なのはヘッドレストがなくてはならないが、普通の椅子はリクライニングが作業姿勢になることは考えられておらず、それを解決するのがゲーミングチェアだが、今度は干渉の問題が難しくなるジレンマがある。

その両方でパーフェクトなWINcaseは、「思った以上に理想的な椅子」であったと言えるだろう。実際、WINcaseによって私はワークルームに戻ってこれたと言っても過言ではない。

もともとメッシュチェアは苦手だったのだが、私が今までメッシュチェアに感じた食い込み感、体圧が固まる感じがなく、非常に良い。あまりメッシュだとかクッションだとかいう感じはない。 クッション性というよりは、椅子としての「座り感」である。沈みを感じるでもなく、跳ね返される感じでもない。

また、最高級チェアに手を出すつもりもなかった。 2〜3万円程度がチェアとしての「妥当な投資」だと思っていたし、6万円のエピックは相当「上げた」狙いだったが、最高級チェアともなるとさすがに違うものだと感じるし、どれほど出しても完璧はないのならば、現実の完璧のためにこの選択は「アリ」なんだと感じている。

私が作業上必要とするレベルはこの程度の椅子であり、単に「良い椅子」を選ぶだけは満たされない厳しい要求を可能にするのがWINcaseだ。 最高のコンピュータ作業用の環境を構築する上で、私の理想の作業環境を構築する上で、(それが叶ったのは偶然によるものだが)必要不可欠な、唯一それを叶えるアイテムだったと言っても過言ではないだろう。

ようやく理想に椅子にたどり着いた気持ちだ。