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ソシャゲが楽しくない人の「なんでなん」の気持ち

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まえおき

この話は、ソシャゲにハマっている人向けじゃなくて、ソシャゲをしない、あまり知らない、あるいはソシャゲのあり方に疑問をもっている人向け。

どちらかというと大作RPGとかをやりこんだおじさん向け?

逆にソシャゲしか知らない人にとって「ゲームとは」って発見になるかもしれない。

意外とやってます

かなり昔に「ソシャゲやったことない」っていうのを記事で言及したけれど、それより後には実はそれなりにソシャゲやってる。

今までプレイした中でもっともやりこんでいるのはDMM GAMES×Your Gamesの”Flower Knight Girl”。 今一番やっているのはDMM GAMESの「ジェミニシード」。 やや放置気味なのがDMM GAMES×Augastの「あいりすミスティリア」とケイブの「ゴシックは魔法乙女」。

残してあるかどうかを別にすれば、プレイ歴的には15タイトルくらいはやっているんじゃないだろうか。

ただ、そんなにのめり込んでもいなくて、課金したのはゴシックは魔法乙女(ごまおつ)だけ。 その課金もガチャ代ではなく連コイン代。

あんまり楽しめてはいない

正直、最初だけは楽しいんだけど、逆に言えば最初しか楽しくないというのが正直なところ。

で、いつも思うのが、 「なんでソシャゲってこんなフォーマットなの?」 ってこと。

そのせいで全然楽しめないし、課金しようという気持ちにもならない。 もっといいフォーマットはいくらでもあるはずなのに。

なんでこんななの

失速するゲーム性

ほとんどのソシャゲが「スタミナ制」になっている。

これはプレイすることにスタミナが必要になるというもので、このあたりはアーケードゲームの感覚に近い。 ただし、ソシャゲの場合は自然回復するので、「1日にプレイできる最大量」が決まっている形になる。

そして、基本的にプレイヤーレベルという概念があり、プレイ量に従ってプレイヤーレベルが上がる。このとき、スタミナの最大値が上がり、スタミナの最大値分が現在値に加えられるため、スタミナ値は溢れる。 序盤は非常にレベルが上がりやすく、スタミナは大幅に溢れた状態が維持される。

だいたい始めてから10時間から20時間程度は連続プレイできるようになっているのだけど、それが終わるとプレイできる量も減るし、内容的にも失速してしまう。

苦痛に変換されるキャラクターの強さ

プレイで自然にキャラクターが強くなるゲームは少数派で、基本的にはプレイによって得られるアイテムを使ってキャラクターを強化するという方式。

キャラクターを強化せずに序盤を突破できるゲームは結構少なくて、かなり早いうちにとりあえずの最大レベルには到達するのが普通。

ところが、このあと「進化」という表現でキャラクターの最大レベルを上げてレベルをリセットする(されないものもある)という形式が入る。これを最大値にするのは、もうちょっと進んでからでなければできないのが普通。

つまり、キャラクターの「成長の過程」というのはほぼない。 「素材を一気に投入してレベル1から60になった!!」とか言われても「ふーん」としか思わない。 だってレベル5やレベル10の強さを体感してないもの。

そして「進化」したところでその直後はさらに弱くなっているわけで、「微々たる強さのために多大な労力を必要とする」という図式になる。

要はキャラクターの強さが「作業量」なので、キャラクターが強くなったことに喜びがない。

瞬く間に「作業と義務」に変換される

だいたい、メインストーリーを進めていって厳しくなるあたりというのが、メインストーリーを進めることで進める限界であると同時に、スタミナが溢れなくなるあたりでもあることが多い気がする。

要は、スタミナが溢れなくなると「そのゲーム本来の遊び方」をするように求められる。

で、その本来の遊び方って

  • 毎日ログインし
  • 毎日「ミッション」と呼ばれる行動をする

というもの。で、それに対して報酬が出る。

けれど、まず毎日ログインしろっていうのが既に義務になっているし、ミッションがスタミナ的にやりきれないのが普通で、そうなると「1回ログインしても消化できないから時間をおいて2回プレイする」みたいなことが必要になる。

そして、それだとスタミナがなくなってしまうので「ゲームでしたいことを遊ぶ」ということができない。 ひたすら、要求された通りに作業をしているだけ。

そもそもゲーム自体にゲーム性がなくて自動進行ただボタンを押すだけだったりするので、作業以外の何物でもないなと感じてしまう。

しかも、結構長い時間その作業で高速され、それを毎日やるように求められる。 個人的には、ガチャなんかよりこっちのほうがよっぽどしんどい。

そもそも、「一日にできる量を制限されているにも関わらず、毎日一定以上やらないとゲームから脱落する」というのは、全くマイペースでプレイできず、ただただ強制されている感じになる。

作業と義務になってしまうともはや「ゲーム」ではなくなってしまう。 だから、私はスタミナが溢れなくなる頃にやめることが多い。

内容がないよう

ソシャゲだと内容があまりないままスタートすることが多くて、それがゲームプレイ自体が失速する構造の一部になっていたりする。

コンテンツ追加ペースはそんなに速くしようがないので、コンテンツ追加に従って僅かな進展のために猛烈な労力を必要とする形にインフレしていく。 そうすると後から入ってきた人にとっては義務だけがやたら多いゲームの出来上がり。

そもそも後半に入ってから盛り上がるゲームこそ「いいゲーム」なのであって、序盤のうちからダレて失速していくゲームなんていいゲームになりようがないのに、どうしてもそういう構造をとらざるを得なくなってしまう。

しかも、プレイヤーに定期的に義務を課すためにイベントが開催されるため、常にログインしているようなユーザーにはコンテンツが提供されるが、「ゲームとしての内容」は拡充されない状況が発生する。

ちなみに、Flower Knight Girlは結構長くつづいていることもあり、メインストーリーはかなり長い。 しかも、私がメインストーリーをクリアしたときは確か総合力がまだ35万くらいだったと思うので、割と普通にプレイしてクリアはできる感じ。(もっとも、強フレさんに助けられた感じだけど)

また、あいりすミスティリアはメインストーリーはそこまで長いわけではないが、評判は良い。

「ゲーム性」の問題

そもそも、そのゲームを「ゲーム」たらしめる要素が基本的にないことが多い。

ゲームの成り立ちが「作業」に支えられているから、もうそれは「ゲームじゃなくて作業」になってしまう。 ゲーム部分というのはだいたい自動進行だったりして、「遊ぶ」ことができない。

「シナリオが」って話なら、普通に小説読んだり、エロゲーするほうが楽しめるじゃない? それよりもシナリオが優れている、という気持ちにもならないし。

「ゲームってこういうのじゃなかったと思うんだよなぁ」という気持ちになる。

ガチャはまだしも課金レースは嫌

別にガチャはあんまり興味ない、というか自然体でプレイしていて行き詰まるようなゲームはやめてしまうので、ガチャで出なかったからどうとかいうのはあんまりないし、自然体の範囲で、ゲーム自体が楽しければ課金していこうかなって思ったりするのだけど(実際、インディーズゲームとかは結構買ったりしている)、ソシャゲの場合は課金することのほうがゲーム本体になってしまっていて嫌。

だいたいどこのゲームに行っても課金額でマウントとれる構造になっていて、毎月何万という単位で課金している人が「課金額低いクセに文句を言うな」みたいな感じに叩かれるのが当たり前みたいになっていると、もうそんな感覚でなければプレイできないようなゲームなら、プレイしたくないなって気持ちになる。

そもそも考えてほしい。 スーパーファミコン末期のゲームは非常に高くて、17000円くらいしていた。 その後サターンやプレステになって6000円くらいまで下落する。後には結局2枚組だったりDVDだったりで高いゲームが増えていくことになったりしたが、それでも9000円くらいだった。

最近のパッケージゲーム事情は私はよく知らないのだけど、SEKIROは8500円くらいのようだ(小売価格は意図的に無視している)。 そうそう、PROJECT CARSという傑作のRCSがある。元々はSteamで売ってて、DLC買ってると結構高くなるゲームなんだけども、PlayStation4でPERFECT EDITIONという全DLCを含んだバージョンがあって、これが8500円くらい。(PROJECT CARS 2のほうはDLC別で8000円くらい)

SEKIROはボリューム少ないと言われつつ普通の1周目プレイ時間20時間〜というゲームのようだし、PROJECT CARS PERFECT EDITIONに関しては遊びつくそうと思うとオンラインなしにしても100時間ではとてもとても足りない。 もちろん好みはあるけれど、そのゲーム自体は好きというのであればめちゃくちゃ楽しい時間がそれだけ続くということだ。(クリア後の惰性で遊んでいる時間ではない)

ソシャゲしか知らないというような人は、例えばPROJECT CARS PERFECT EDITIONのPVを見てみてほしい。 こんなクオリティで、延々遊んでいられるようなゲームが8000円。

DLCが多いし高いしみたいなことで、ひどいひどいと言われているゲームでも10万円前後がせいぜい。

でも、ソシャゲって「毎月数万円から十数万円」みたいなのが基準になっていて、その水準でやってないとゲームのコンテンツとしてもついていけないし、ゲームをしていて「プレイヤーとして非難される」という事態になる。 それで内容って、そこまですごいコンテンツなりクオリティなりがあるの?って思ってしまう。

質が低いものに異様な金額を要求される、それもプレイヤー同士の圧力がそれを支えている、というのは、ものすごく異様な光景に見えてしまう。

「つらい」の内訳

Flower Knight Girl

一番やっているけれど、初心者ではない程度まで進んでしまって、ここから先はひたすら義務が並ぶ、みたいな感じなのと、ガチャ頼りになってしまっているのでしんどい。

私は今のところFile Aが総合力54万、File Bが総合力60万くらい。 プレイ時間はFile Aのほうが長いけど、メインストーリーを完走するまでガチャの最高レアである虹を全く引けなかったFile Aに対して、コンスタントに虹を引いているFile Bなので、File Bのほうが強い状態。 File Bは強い虹が割と多いので、総合力だけじゃなくてクリア度合いも虹のほうがきついイベントを攻略できている。

で、どちらもメインストーリーやイベントの高難易度なんかは楽にクリアできるくらいには強いのだけど、超高難易度をクリアするにはほど遠い、というかまるで歯が立たない。

今の難易度で挑戦したり遊ぶ余地が全くなくて、「今後ずーっと周回して作業を繰り返して、虹が出るまでガチャし続けないと次の遊び方はできない」となっちゃうと、やる気がおきない。

また、デイリーミッションをクリアするのにすごく時間がかかるのもつらい。 少なくとも3回に分けてログインする必要があり、デイリーミッションクリアに何時間もかかる。だから、惰性でプレイするにもしんどいゲーム。

また、ゲーム的には全自動なので、ゲームとしてやることがない。 ほぼ強いキャラを引いて、あとはそれにいろいろつぎ込めばOKというゲームなのでなおさらやることがない。

あいりすミスティリア

Rankは42から60。

あいミスはそもそも難易度が高くて、リニューアル直後からプレイしているけど、チュートリアル戦闘でボロ負けしたことで相当印象に残っている。

単純にキャラクターが強ければ勝つというものではなくて、育成、パーティ編成なんかにテクニックが必要になってくるゲームではある。もっとも、メインストーリー8章まではキャラクターを強くしていれば進めるようになっていて、8章でいきなり勝てなくなる、という仕様。(ちゃんと9章までクリアはしている)

今くらいでは正直ストーリーも相当運頼みになるし、難易度ハードだととてもクリアできないので、花騎士みたいな「やることない」にはならないのだけど、こっちは「長くやり続けないと強くならない」ゲームで、一気にどかんと課金してもだめで、課金しなくても無理。 毎週数万円ずつ課金しないとついていけないみたいなゲームになっている。

イベントのペースが早くて、隙間時間にプレイしているくらいではとてもついていけないので、時間的にしんどくなってやっていない。

キャラクターはかわいいし、ストーリーも魅力的(量は少ないけど)、そして背景美術が素晴らしいのだけれど、ゲームとしては結構しんどい。

ジェミニシード

ジェミニシードは私はまだ割と始めたばかりで、パーティ総合力が72000くらい。

なので今一番やっている(というか唯一やっている)感じだけれど、既にしんどくなってきてはいる。 理由は単純に、「要求される周回量が他のゲームよりも多くて、しかもスタミナ的に周回できる量は他より少ない」という仕様なので、「プレイするのに要求される作業量が多い」という理由。

あと、プレイ量に対してコンテンツが少ない。

ビーナスイレブン

これも結構やったゲームだけど、やらなくなっている理由は「ゲーム性が単調で飽きた」。

このゲームはあんまりシナリオもなくて、基本的には難易度も低い、というか勝ちパターンに持ち込める相手でなければ勝てないし、勝ちパターンに持ち込める相手ならおんなじ操作で勝てるので、ゲームとしては面白みがない。

キャラクターは結構魅力的。 でも、ストーリーコンテンツを見るためのハードルがめちゃくちゃ高くて「そんなにプレイできないよ…」という気持ちになる。

ごまおつ

ごまおつはシューティングゲームなので、全然事情が違う。 そもそも、キャラクターや育成度合いが「ユニットとしての強さ」とは関係ないというゲームなので、「育成作業」とか「ガチャ引き」とかはあんまり関係ない。

それに、ゲーム自体もシューティングなので作業にはならない。

のだけども…

問題は2点あって、ひとつはスコアタ。

ありとあらゆるところでスコアアタックをしなさいという圧力がすごいゲームなのだけど、スコアタをしようとすると「敵をできるだけ倒さずに弾をたくさん当てたほうが点数が出る」というゲームなので、爽快感が全くない。というか、「やたら緻密な作業をさせられてる」という気分になる。

しかも、点数に対してユニットの強さが問われるので、「ガチャで今回のイベントで有利なキャラを引いて、なおかつやりこんで育てておかないとスタート地点にも立てない」にも関わらずスコアタ圧力が強いのでしんどくなった。 一時は有利ショットも使わず、ギルド関係は使わずにAクラスまで行ったけど、「もういいや」って感じ。

もうひとつは、ステージが単調。 ステージにあまりバリエーションがなくて、イベントなんかでもほぼ使いまわしなので、同じようなパターンでの攻略になる。 しかも、不意打ちが多くて、私のだいっきらいな覚えゲーになりがちな点も嫌になった。

ネトゲと昨今のゲームと

個人的には未完成なゲームとか、手元に残らないコンテンツって好きじゃない。

例えばパッケージで買って「後からDLCが配信されます」みたいなゲームも、「うーん、完全な形で持っていられないならやめとこうかな…」と思う。

DLCでもあくまで追加コンテンツで、なくてもその世界が完結しているならそれでもいいんだけど、それはそれで「うーん、でもこのゲームDLCがあればもっと〇〇できるんだよな」と思うとプレイしてて楽しさが削がれてしまう。結局、余計なことが気になっている状態。 追加コンテンツがダウンロードして取っておければいいんだけど、「ネットサービスが終了して、今あるデータが消えたらおしまい」みたいなのだと全く手を出す気になれない。

逆に言えば、PROJECT CARS PERFECT EDITIONとか、Asetto Corsa Ultimate Editionみたいなやつは「あ、買おう」って思う。 Asetto Corsaに関してはDMM GAME PLAYERが必要な仕様なんだけど、基本的にはあれはライセンサー&コピーガードで、さすがに購入者も多いからDMMが潰れるようなときとか、DMM GAME PLAYERが廃止になるときには対応されるだろう…という気持ちでいる。

同じ理由で電子書籍も買わない。 そもそも再生プラットフォームがオンラインである必要があるという時点で嫌なんだけど、仮にそれは「オフラインで見れます」という仕様でも、サービスがなくなったら読めない本を持とうという気にはなれない。

私は今でも20年前の本を読み返したりするし、15年前のゲームで遊んだりしている。 懐かしくなったり、気になったときにいつでも触れられるって環境が欲しいので、ネットゲーム含めてあんまり好きになれない。

でも、ソシャゲに限らずゲーム自体がそんな感じだから、もうずっとゲームを楽しむっていうことができてないなと思ったりする。

実はドラムマニアすらも最近そんな感じで、全前作のMatixxまでは普通にプレイしていればそれなりに解禁曲もあって、どうしても解禁したい曲だけミッション回せばいいやみたいな感じだったんだけど、前作Exchainからは「ひたすらプレイして周回しないと解禁できない」という仕組みに変わった。 で、その周回の量が普通に仕事帰りや休みの日に数回プレイする、みたいなプレイスタイルでは絶対にできないやつで、ゲーセンにずっとかじりついてないと解禁できない感じ。

それが単にプレイすればいいだけならいいんだけども、別に好みでもない、やりたくない曲を延々やることになるから、ゲーム性が十分にあって楽しいはずのドラムマニアをわざわざ作業にするものになっている。

だから結局、Exchainでは旧曲と新曲のスキル下限値が20以上違った。20以上違うというのは、3ランク違うということになるので、相当な差なのだけど、これスキル気にする人だったら嫌になっていそう… 今作は多分、新曲はそもそも25曲埋まらない。

ソシャゲの価値観を「ゲームの常識」に変換するのは、ゲームというもの自体が嫌いになるからやめてほしい。

いや、もう最近でも「ゲームしたいな」って思うことはちょいちょいあるけど、最近出た「このゲームがしたい」みたいな気持ちには全くならなくなっているから、既に私はゲームが嫌いになっているのかもしれない。 面白いゲームがないという問題でないのは確か。なぜなら、「面白いゲームはないかな」という観点で探してすらいないから。「ゲームが面白い」ということよりも、「ゲームに付随する問題がめんどくさい」という気持ちのほうがずっとずっと大きくなっている。

だから、ソシャゲで「毎日何時間もやる」みたいなのはできないし、当たり前のようにプレイしない日が私にはある。毎日プレイしなければならないとなったら私はやらない。 でも、ちょっと間があくと不利になるゲームが多いので、ソシャゲは割とすぐにやらなくなる。

ソシャゲだってこうだったらいいのにな

これくらいやらなきゃいけない、みたいな義務付けがなくて、遊びたいときに遊べたらいいな

別にパッケージゲームみたいな「全方位すごい!!」みたいなのじゃなくてもいいから、このゲームのゲーム性はここで、ここがおもしろいよみたいなポイントが欲しいな

自分のペースで、1000円から3000円くらい出したらもっと遊び倒せる、みたいな感じだったら、課金するだろうな

圧力かけられたりせずに、楽しんでることがなによりって感じだといいのにな

プレイヤーが楽しいって思うことが価値になったらいいのにな

なんでそういうのがないんだろうね。