Chienomi

ARROWS NXが気になる

ケータイ

電車広告で見かけたdocomoからリリースされるFUjitsu ARROWS NX F-02Gが気になる。

ARROWSシリーズといえばねとらぼで展開している突飛すぎるPRが思い浮かぶが、内容は確かに圧倒的だ。

WQHD

最大の注目はWQHDディスプレイ&WQHD動画カメラ採用だろう。WQHDは1440x2560で、HDx4というピクセル数になる。FullHDの1.8倍だ。

5.2inchという大きめのディスプレイにWQHDというまだディスプレイでも普及は途上の多ピクセルディスプレイを採用する。当然ながらディスプレイサイズが上がれば解像度は落ちるが、それでも5.2というのはディスプレイとしてはかなり小さい。それに、単体ディスプレイなら27inchからというようなWQHDであり、ppiは564だという。かなり高精細で美しく、見やすい画面だと期待できる。

主に動画で強調されるが、WQHDの映像ソースというのはあまりない。それよりも文字の可読性が向上することのほうがメリットは大きいだろう。ただ、「世界最高峰」という記述からすると、5inchクラスのWQHDは初めてではないのだろう。

それ以上に注目すべきは、そんなWQHD映像ソースをつくることができるWQHD動画対応のカメラのほうだ。1/2.3 CMOSということで「大型」というには随分小さいが、それでもWQHD映像が撮れるカメラはかなり少ないので、非常に魅力的だ。ただし、FPSについて言及がない。キャノンのスティルカメラは4kに対応するが、FPSはかなり低い。

マイレージ性能

前モデルではWhiteMagicディスプレイを採用し、IGZOをヒューマンセントリックエンジンとの組み合わせでIGZOケータイを凌ぐマイレージを実現していたが、今回はジャパンディスプレイの最新IPS液晶を使っている。現状では、省エネスペシャルなディスプレイと、高解像度ディスプレイはORであり、高解像度をとれば省エネディスプレイは採用できなかった、ということのようだ。

それでも「前モデル以上のマイレージ性能」を謳うだけのものをヒューマンセントリックエンジンで稼ぎ出しているようだ。とはいえ、SHARPのエコ技の使いにくさに困っている私としてはあまり嬉しさを感じないが。

しかしタブレット並の3500mHaは、もちろん充電が大変になるとか、モバイルバッテリーによる駆動延長が難しくなる、といったところはあるが、それでもマイレージ性能には大きく影響するだろう。ただ、思った程電池が進化してこないのは、根本的な泣き所だ。採用している電池についての情報はない。

急速充電にも対応とのことである。

VoLTE

ヴォルテ、とよむらしい。私は知らなかったので調べたのだが、まぁ字面から予測できるように、音声通信をLTEデータ回線に乗せる技術だ。

私はこれがSkypeなどの音質向上のために通常とは別回線に乗せるものかと思ったのだが、そうではないらしい。通常の音声通話をLTE上に乗せるというもので、従来の音声通話が3G回線を使っていたのに対して、音声もLTEに切り替える中で、音声もデータ通信に乗せるというもののようだ。オプショナルなものではなく、音声通話のバックボーンをデータ通信(LTE)に切り替えるということで、音声通話分の帯域は特別に保証されるため、「スマホによるパケット通信のトラフィックに逼迫されて音声通話ができなくなる」という事態は起きない、ということのようだ。

もっとも、個人的には音声回線の安定感からしてデータ通信ベースにするということは色々と不安があるし、従来型のeメールはできなくなる可能性がある(対応されなければ)とも考えているので、あまり嬉しくない。

少なくともVoLTE対応を高らかにうたわれても、ユーザーメリットは現時点でないように思う。

ATOK

ATOKに関しては後入れが可能なものではあるが、それでもそれなりの出費にはなるわけで、デフォルトの入力エンジンがATOKであるということは非常に大きい。

しかもARROWSのものは、ULTIUSというさらなる改良を加えたスペシャル版だ。

POBox*ジョグダイアルの圧倒的な変換能力を体験した身としては、Simeji+Mozcだろうと、Wnnだろうと、入力効率の悪さにはイライライライライライライライライライライライライラする。少しでも有能な日本語入力環境が欲しい、と考えるのは当然だろう。

現在はスマホで文字入力することがあまりないため、それほど気にしていない(というよりも、ガラケーのほうの入力効率の悪さに絶望している)が、これはもう最大の魅力と言っていいだろう。

ちなみに、WnnはMozcよりも劣るように感じられる。

192kHz/24bit音源対応

ハイレゾ対応プレーヤーはまだまだ高級で、Xperiaのウリにもなっているが、これに対応してきた。

ただし、これは一部マニア向けの話だろう。一般ユーザーはMP3やAAC(M4A)で満足してしまっているのだし、CDなど一般的な音源ではなく入手が難しい上に、音源自体があまり多くない。環境の有無よりも、そもそもハイレゾ音源を楽しんでいる、楽しもうとしているユーザーが少ない。

だいたい、ハイレゾ音源は結構ファイルサイズが大きいので、スマホのようにフラッシュメモリカードだけで対応するような場合、大した曲数はいれられないため、実際はlossyにして全部入れたほうが楽しめる。実際、私はPDAPがFLAC対応だが、Ogg vorbisにしている。そのため、意外とメリットがない。現状では「体験できる」といった意味合い、もしくは「興味をもったら試せる」。

使い勝手

形状はかなり良好なようで、加えて防塵・防水仕様となっている。しかも、傷がつきにくいよう配慮された設計で、メイド・イン・ジャパンらしさを感じる。

UIも人気が高いが、これにもさらに磨きがかけられたということで、非常に使いやすいだろう。指紋センサーも扱いやすいよう配慮がなされ、さらに手袋モード(低静電容量感応モード)も搭載。「非常に速い」と評判のダウンロード機能や、前述のATOKなど、徹底して「使いやすいスマホ」に仕上げている印象を受ける。

私には魅力ではないが、おサイフケータイ及びワンセグにも対応と日本のニーズに応える。32GB内蔵+128GB microSDとストレージ性能は、ある程度大きいものが使えるようになっている。

ディスプレイは表示の美しさに加え、日光の中でも見やすいよう調整されるという。

地味な機能だが、FMトランスミッタ内蔵、ANT+対応というのはかなり応用が効く。

日本のスマホは非常に制限が厳しく不自由で魅力がないのだが、カスタマイズできなくとも、このように日本メーカーらしく徹底した使いやすさにこだわったもの、というのはやはり非常に高い価値と魅力があるように思うし、それであるならば日本のスマホを選んでもいい、とも思う。この場合、Rootedを捨ててもの話だ。

非常に魅力的で気になる存在だ。